作者


黒﨑美穂 文/松成真理子

内容紹介


くりのき村のサトばあちゃんは、とびきり元気でみんなの人気者です。

くりのき神社のお祭りでは秘蔵の“ぎんいろぴかぴか”をくるくる回して、美味しいわたあめを作ります。

さて祭りのあと、ばあちゃんは今度は山奥の家で、月の光を浴びた“ぎんいろぴかぴか”を回します。

山のようなわたあめ、一体どうするのでしょうか。

編集担当者 より


季節は知らないうちに、少しずつ移ろっていくものですが、その中でもふと変わり目を意識する瞬間はないでしょうか。

この物語はそんな変わり目の風が吹く「秋の一番はじめの日」のお話です。

元気いっぱいでどこか不思議なサトばあちゃんがなんとも魅力的です。運転の時だけおしゃれな赤ぶち眼鏡をかけるのですね。

物語は黒﨑美穂さんの保育経験から生まれました。

黒﨑さんは長年、山のそばの保育園で働いていたので、折々に、山からの風が変化するのを感じていたのだそうです。

そんなあわいの時間――夏と秋、夜と朝の間の空気を、松成真理子さんが鮮やかに描かれました。

クライマックスは羊雲がいっぱいに広がった朝焼け空。

こだぬきたちと一緒に秋の風を感じてもらえたら嬉しいです。

作者情報


黒﨑美穂(くろさきみほ)


群馬県生まれ。保育士として子どもたちとふれ合いながら、子どものための物語や劇の脚本を多く書いている。絵本に『スプーンのおうじさま』(絵・鬼頭祈/「こどものとも年中向き」2018年3月号)がある。群馬県在住。

松成真理子(まつなりまりこ)


大分県生まれ。京都芸術短期大学卒業。『まいごのどんぐり』(童心社)が第32回児童文芸新人賞を受賞。絵本に『じいじのさくら山』(白泉社)『きんぎょすくいめいじん』(講談社)『もう いいかあい? はるですよ』(文・富安陽子/「ちいさなかがくのとも」2018年3月号)『たいよう でてきたぞ』(文・大橋政人/「同」2019年1月号)など多数。大阪府在住。

書誌情報


読んであげるなら:5・6才から
自分で読むなら:―
定価:440円(税込)
ページ数:32ページ
サイズ:19×26cm
初版年月日:2021年10月01日
通巻:こどものとも775号