作者
内容紹介
今夜は、まんまるおつきさまが見られる「じゅうごや」なんだって。
お父さんと外に出てみたら、あの山の方が光ってる。
あっ、山からおつきさまが顔をのぞかせたよ。
そのままだんだんのぼっていって、出た出た、まんまるおつきさま!
高柳芳恵さんの端正な言葉と松成真理子さんの柔らかな筆遣いによって表現された美しい月夜、ぜひご堪能ください。

編集担当者 より
日本では、旧暦の8月15日にあたる日の夜を「十五夜」と呼んでいます。
十五夜は、一年の中でもひときわ美しい月が見られるとされていて、古くから月を眺める習慣があります。
一昨年の十五夜の日、文章の高柳芳恵さんのご案内で、絵の松成真理子さんと担当編集者とで、とある里山に集まり取材を行いました。
「まだかしら?」「あの方角から出るわよ」「たのしみですね!」とおしゃべりしながら、暗闇の中で月の出を待ちます。
いよいよ月の出の時刻。それまで立ち込めていた雲がサアッと消え、お月さまが山の端から顔をのぞかせました。
その瞬間、おしゃべりは止み、著者のお二人の真剣な表情が月の光に照らし出されたのが忘れられません。
しばらく月を眺めたあとは、月夜の散歩。
先ほどまで真っ暗だった夜道は、月の光によって明るく照らされ、私たちの影が遠くまで伸びていました。
2021年の十五夜は9月21日(火)です。
『じゅうごや おつきさま』を読んだあとには、夜空を見上げてみてください。
きっと美しい「まんまるおつきさま」に出会えるはずですよ。
作者情報
高柳芳恵(たかやなぎよしえ)
栃木県生まれ。著作に『葉の裏で冬を生きぬくチョウ ウラギンシジミ一〇年の観察』〈第47回産経児童出版文化賞受賞〉、『どんぐりの穴のひみつ』(ともに偕成社)など。「ちいさなかがくのとも」は『おちば シャック シャック』『はっぱの あな』『ゆうぐれの さんぽ』『せみのぬけがら』に続いて5作目。神奈川県在住。
松成真理子(まつなりまりこ)
大分県生まれ。イラストレーター、絵本作家。京都芸術短期大学卒業。絵本に『まいごのどんぐり』(第32回児童文芸新人賞受賞、童心社)、『さくらの谷』(第52回講談社絵本賞受賞、偕成社)などがある。「ちいさなかがくのとも」は『もう いいかあい? はるですよ』『たいよう でてきたぞ』に続いて3作目。大阪府在住。
書誌情報
読んであげるなら | :3才から |
自分で読むなら | :― |
定価 | :440円(税込) |
ページ数 | :24ページ |
サイズ | :23×20cm |
初版年月日 | :2020年09月01日 |
通巻 | :ちいさなかがくのとも 234号 |