作者
内容紹介
外は雨。
楽しみにしていた遠足が中止になってしまい、たかしは家でひとり留守番です。
ふと、誰かに呼ばれて振り返ると、そこにはラクダがいました。
「ぼくに乗って、ぼくの国へ遠足に行きませんか?」。
ラクダに乗ったたかしが目を開けると、そこには金色に輝く砂漠が、どこまでも広がっていました。
子どもたちを神秘的な世界へと誘うファンタジー。
担当編集者 より
編集担当も子どものころ、雨で遠足が中止になってしまったことがありました。そのときは、外に出かける代わりに園の体育館でみんなで遊び、お弁当を食べて過ごしました。
いつもとは違う「室内の遠足」も、それはそれで楽しかった思い出ですが、あのとき、この絵本のようにラクダさんが現れて、一緒に砂漠へ行けたなら、どんなに嬉しかったことか・・・・・・。
本作は、歌人として活躍の場を広げている九螺(くら)ささらさんによる、初めての絵本です。淡々とした筆致のなかにリズムがある、とても印象的な言葉が、子どもたちを神秘的な世界へと連れて行ってくれることと思います。
全ての音が吸い込まれるような「しーん」とした砂漠を見事に描いてくださっているのは、イラストレーターの木内達朗さんです。金色の砂の質感や、青く透き通った空を、じっくり味わってもらえたら嬉しいです。
絵本のなかでひっそりと出かける秘密の遠足。
どうぞ何度も楽しんでくださいね。
作者情報
くら ささら
1968年、神奈川県生まれ。青山学院大学文学部英米文学科卒業。2018年『神様の住所』(朝日出版社)にてBunkamuraドゥマゴ文学賞受賞。他の著書に『きえもの』(新潮社)、『ゆめのほとり鳥』(書肆侃侃房)。モットーは、「それは脳に糖が足りてないだけ」。好きな街の名はプラハ。絵本は本作がはじめて。
木内達朗(きうちたつろう)
1966年、東京都生まれ。国際基督教大学教養学部生物科卒業後、渡米。ArtCenter College of Design卒業。国内外の書籍の装画をはじめ、ジャーナリスティックなテーマからナンセンスまで、幅広い絵を手がけている。絵本に『のっていこう』『海の中のくらし』(文・佐藤克文/ともに福音館書店)『いきもの特急カール』(岩崎書店)などがある。
書誌情報
読んであげるなら | :5・6才から |
自分で読むなら | :― |
定価 | :440円(税込) |
ページ数 | :32ページ |
サイズ | :26×19cm |
初版年月日 | :2022年08月01日 |
通巻 | :こどものとも 797号 |