作者
東郷聖美 作
内容紹介
ペルーのチチカカ湖にあるタキーレ島に、ワイラという女の子が、家族と一緒に暮らしています。
ワイラは、泊まりがけで買い出しに行っているお父さんの帰りを心待ちにして、村の人たちみんなにそのことを伝えます。
自給自足に近い暮らしをする家族と、小さな女の子の気持ちに寄り添う村の人たちの様子をほほえましく描きます。
担当編集者 より
タキーレ島では、「男の人たちが歩きながら編み物をしているんですよ!」と著者の東郷さんに伺ったとき、「ええ? どういうこと?」と編集担当の私はビックリしました。調べてみると、手仕事の島ということで、納得。地球にはいろいろなところがあるんだなあと目が開かれたように思いました。
タキーレ島は、ペルーのチチカカ湖に浮かぶ人口2000人の小さな島です。村の経済は共同の漁業・農業で支えられ、伝統的な織物や編み物の技術はユネスコの無形文化遺産にも登録されているそうです。
この絵本は、そこに暮らす女の子ワイラの家族の様子を中心に村の文化も紹介する形になっています。環境や暮らし方は違っても、家族を思う気持ちはどこも同じ。ワイラの気持ちに村じゅうの人たちが応えてくれるのはとてもほほえましい光景です。地域社会が失われつつある日本では、珍しいことになってしまったかもしれませんが、子どもにとっては、共感してくれる大人が周りにいてくれることはとっても嬉しいことに違いありません。絵本の中で、別の国の友だちを作ることも、グローバルな社会を生きる子どもたちの心の素地を養うことになればと思っています。
作者情報
東郷聖美(とうごうせいみ)
1958年東京生まれ。女子美術短期大学油絵専攻。16歳より映画雑誌の似顔絵を30年近く描く。1995年より4年間ボリビアに滞在。主な挿絵に映画雑誌「スクリーン」(近代映画社)。絵本は『わたしはせいか・ガブリエラ』(「こどものとも」2004年9月号)『みんな くるくる さかのみち』(「こどものとも年中向き」2007年6月号)『おひさま いっぱい』(「こどものとも0.1.2.」2014年3月号)『ともこちゃんは銀メダル』(文・細川佳代子/ミネルヴァ書房)など。東京都在住。
書誌情報
読んであげるなら | :4才から |
自分で読むなら | :― |
定価 | :440円(税込) |
ページ数 | :28ページ |
サイズ | :26×19cm |
初版年月日 | :2022年10月01日 |
通巻 | :こどものとも年中向き 439号 |