作者
朽木祥 文/ささめやゆき 絵
内容紹介
そのお宿には、変わったふすま絵があった。
山や川の風景のなかに、小天狗が描いてあったのだ。
ある晩、ふすまの中から、なんと小天狗が飛び出した!
小天狗の狙いは、台所のはちみつのつぼ。それから小天狗と宿の主人の、はちみつをめぐる攻防戦が始まった。
主人を振り回す小天狗の姿がおかしい、民話のような物語。
担当編集者 より
作者の朽木祥さんに教えられて、境内にたくさんの天狗像の立つ建長寺を訪ねました。鎌倉の朽木さんのご自宅からほど近い場所です。参拝者を出迎える天狗たちはどれも個性豊かで、中には親しげにこちらに向かって手を振るかのようなのもいます。
朽木さんのお住まいの近くは野生動物も多く、河童や天狗などの日本の民間伝承は、こうした自然の中から生まれたのだと実感されているそうです。この物語の小天狗も、建長寺の天狗像だけでなく、朽木さんが子どもの頃に出会ったカラスの子どもがモデルになっているのだとか。
絵は同じく鎌倉市にお住まいのささめやゆきさんが、軽
妙かつ味わい深く描かれました。現代に新しく生まれた民話的世界をどうぞお楽しみください。
作者情報
朽木祥(くつきしょう)
広島市生まれ。『風の靴』(講談社)で産経児童出版文化賞大賞、『光のうつしえ』(講談社)で小学館児童出版文化賞ほか受賞多数。児童文学作品に『かはたれ』『たそかれ』(ともに福音館書店)『彼岸花はきつねのかんざし』(学研)『あひるの手紙』(佼成出版社)など。 鎌倉市在住。
ささめやゆき
東京生まれ。『ガドルフの百合』(偕成社)で小学館絵画賞受賞。絵本に『ぽぽんぴ ぽんぽん』『おとうさんは、いま』『眠り猫』『ひとりぼっちのけいとだま』(「こどものとも年少版」2021年11月号/以上、福音館書店)、著書に『ほんとうらしく うそらしく』(筑摩書房)など多数。鎌倉市在住。
書誌情報
読んであげるなら | :5・6才から |
自分で読むなら | :― |
定価 | :440円(税込) |
ページ数 | :32ページ |
サイズ | :26×19cm |
初版年月日 | :2022年10月01日 |
通巻 | :こどものとも 799号 |