作者


ねじめ正一 文/飯野和好

内容紹介


見た目はちょっと恐いけど、実はお茶目な二人組、オニとワニ。

彼らが七夕やクリスマスなど、一年間の行事に参加します。

各ページには、それぞれの行事に合わせた俳句が一句ずつ。

「おしょうがつ もちがはにつく オニとワニ」から「オニとワニ じゅんばんにつく じょやのかね」まで、四季折々の句が並びます。

初めて俳句に親しむのにうってつけの絵本です。

担当編集者 より


この絵本が生まれたきっかけの一つは、ねじめ正一さんのお孫さんが、ワニの図鑑を見るのが好きだったことでした。ある日、ねじめさんはお孫さんをワニ園に連れて行きます。しかし、実物のワニは想像をはるかに超える迫力。その日を境に、お孫さんにとってワニは「この世で一番恐いもの」になってしまいます。そこでねじめさんは「ワニの恐さを吹き飛ばす、楽しい絵本を作りたい」と思われたのだそうです。


ただ、このエピソードには前日譚があります。ねじめさんがお孫さんに「なんでワニが好きなの?」と聞くと「恐いから」と答えたそうです。ワニのことが好きだったのに恐くなってしまったわけではなく、ワニのことは元々「恐いから好き」。子どもにとって「恐い」とは、一筋縄ではいかない感情です。


そんな恐い恐いワニと、これまた恐いオニがタッグを組みました。しかしねじめさんと飯野和好さんの手にかかると、どちらも恐いだけではなく、なんとも言えないおかしさと親しみやすさを持った存在になっています。強面ながら愛嬌たっぷりの二人組を、「恐いけど好き」「恐いから好き」だと思ってもらえたら嬉しいです。

作者情報


ねじめ正一(ねじめしょういち)


1948年、東京都生まれ。詩集『ふ』(櫓人出版会)でH氏賞、小説『高円寺純情商店街』(新潮社)で直木賞、『荒地の恋』(文藝春秋)で中央公論文芸賞を受賞。子ども向けの作品に『ワニはなび』(「こどものとも年中向き」2022年8月号)『ゆかしたのワニ』『ずんずんばたばたおるすばん』(以上、福音館書店)など多数。

飯野和好(いいのかずよし)


1947年、埼玉県生まれ。セツ・モードセミナーでイラストレーションを学ぶ。「ねぎぼうずのあさたろう」シリーズ(福音館書店)の「その1」で第49回小学館児童出版文化賞、『みずくみに』(小峰書店)で第20回日本絵本賞、「小さなスズナ姫」シリーズ(偕成社)で第11回赤い鳥さし絵賞を受賞。他、作品多数。

書誌情報


読んであげるなら:5・6才から
自分で読むなら:―
定価:440円(税込)
ページ数:32ページ
サイズ:26×19cm
初版年月日:2023年01月01日
通巻:こどものとも 802号