作者


藤沢健太 文/佐々木マキ 絵

内容紹介


あなたは過去と未来につながっているという2つの話をしましょう。

あなたの体には、過去に生きていた全ての人たち(例えば徳川家康やクレオパトラも)の体にあった原子が少しずつ入っています。

また、晴れた日にあなたの体に当たった日光は反射して宇宙に飛び出し、100億年以上も、あなたの姿を宇宙に映し続けるのです。

担当編集者 より


コップに1杯の水をくんでみます。するとそこには、徳川家康が亡くなったとき、その体にあった酸素の原子が、およそ10万個ほど入っています。クレオパトラやナポレオンの酸素も入っています。かつて地球上に生きていた恐竜などの体だった物質も少しずつ入っていて、その水を飲むことで、私たちは自分の体に、昔の人や動物の体だった物質を取り込んでいるのです。私たちの体の一部は、昔の人や動物などからもらったものなのです。

また、晴れた日に外に出ていると、私たちの体を照らした日光の一部は、反射して宇宙に飛び出していきます。そして何光年も離れた遠くの星に、私たちの姿を届けます。100億年たっても、その光は飛び続けるのです。

文章の藤沢健太さんは、山口大学で時間を研究する天文学者。私たちはどこから来てどこへ行くのか、という壮大なテーマを、わかりやすく語ってくれています。その絵画化するのが難しいお話を、佐々木マキさんが上品でかわいらしい絵本にまとめてくれました。

作者情報


藤沢健太(ふじさわけんた)


1967年、大分県生まれ。東京大学で天文学を専攻、博士(理学)。2002年に山口大学に着任し、山口市郊外にある口径32mの中古アンテナを電波望遠鏡に改造して観測を行っている。おもな研究内容は星が誕生する様子や、ブラックホールの性質など。韓国、中国、タイなどの研究者と協力して研究を行っている。現在は山口大学時間学研究所の所長。時間学という学問を作るのがもう一つの目標。

佐々木マキ(ささきまき)


1946年、神戸市生まれ。マンガ家、イラストレーター、絵本作家。『へろへろおじさん』で講談社出版文化賞絵本賞を受賞。絵本に『やっぱりおおかみ』『くった のんだ わらった』『まじょのかんづめ』『まちには いろんな かおが いて』『おばけが ぞろぞろ』『はぐ』『くりんくりん ごーごー』『へらへらおじさん』(「こどものとも」2020年7月号)『わたし てじなし』(「こどものとも年少版2020年10月号/以上、福音館書店)、『ぼくがとぶ』「ぶたのたね」シリーズ、「ムッシュ・ムニエル」シリーズ(以上、絵本館)、「ねむいねむいねずみ」シリーズ(PHP研究所)など多数。京都市在住。

書誌情報


読んであげるなら:―
自分で読むなら:小学中学年から
定価:770円(税込)
ページ数:40ページ
サイズ:25×20cm
初版年月日:2023年04月01日
通巻:たくさんのふしぎ 457号