作者


洞野志保 再話・絵

内容紹介


ヤーノシュは仕事を探して旅に出ますが、途中困っている蟻やカラスや魚を助け、それぞれから小さな笛をもらいます。

辿り着いた黄金の城では、王様から無理難題を言いつけられますが、ヤーノシュが笛を吹いてみると、動物たちが現れて、課せられた仕事をすべてやってくれます。

最後にヤーノシュが手にいれたものは? 

東欧在住の画家が幻想的に描くハンガリーの昔話。

担当編集者 より


昔話には心の奥深くまで染みわたるような力があります。旅の途中に手に入れたものが、思いがけず後で役に立ったり、困難にぶつかっても助けてくれる人が現れたり。人生いろいろなことがあるけれど、こんなこともあるよと、人生を俯瞰しながら、生きることを後押しするような、そんな力があるように思います。

このお話も動物たちを助けたことによって小さな笛をもらい、その笛の力で、困難を乗りこえることができます。人間がカラスに変身したり、黄金の城にいる不思議な王様に会ったりするお話ですが、東欧で絵を学び、今もスロバキアにお住まいの画家・洞野志保さんが、みごとにその不思議な空気感を幻想的に描き出しています。じっくりお楽しみください。

作者情報


洞野志保(どうのしほ)


1977年、北海道生まれ。女子美術大学芸術学部絵画科洋画専攻版画コース卒業。2004年よりスロヴァキアのブラチスラバ美術大学のドゥシャン・カーライ氏のもとで版画とイラストレーションを学ぶ。絵本に『まるきのヤンコ』(「こどものとも年中向き」2010年11月号)『いぶくろ』(同2018年12月号)『きつねどん』(ビリケン出版)、童話の挿絵に『せなかのともだち』(PHP研究所)『あくまとけしのみ』(偕成社)などがある。スロヴァキア在住。

書誌情報


読んであげるなら:5・6才から
自分で読むなら:―
定価:460円(税込)
ページ数:32ページ
サイズ:26×19cm
初版年月日:2025年02月01日
通巻:こどものとも 827号