作者


吉野雄輔 文・写真

内容紹介


半透明な体でスイスイ泳ぎ、ビュッと墨を吐いて逃げる。

そんなとらえどころのないイカですが、実は優秀なハンター。

卵からかえったときにはわずか1グラムのイカが、1年で5000倍に成長することもあります。

見えにくい体とよく見える目を持ち、2本の長い触腕で素早く魚やエビをつかまえる。

「海の霊長類」、イカの秘密にせまります。

担当編集者 より


イカもマグロも、お刺身や寿司ネタとして人気です。

そのためか、食材としてのイカの書籍は多くありますが、生物として紹介するものは少ないようです。

作者の吉野雄輔さんは水中カメラマンで、イカについてもめずらしい種をたくさん撮影しているのですが、今回編集者が驚いたのは、「ふつうのイカ」のすごさです。

スルメイカ、アオリイカ、コウイカなど、魚屋やスーパーでもなじみ深いイカたちが、海中では美しい体と優秀なハンターぶりを見せます。

「大食らい」によって早く成長するイカですが、イカもまた、マグロなど大型の魚のエサになっています。

実はこの素早い成長が、結果的に海中の栄養をまとめてマグロなどに与えることとなっています。

やはり生物にはそれぞれ自然界での役割があるのだな、と思いながら、回るお皿の上のイカやマグロを見つめると、より輝きが増してくるように思えます。

作者情報


吉野雄輔(よしのゆうすけ)


1954年、東京生まれ。大きな海から小さな生きものまで、スチール写真を専門に、40年以上撮影している。写真集、図鑑、写真絵本、雑誌、新聞、広告などの世界で幅広く活躍。著書に『海の本』(角川書店)、『山渓ハンディ図鑑 改訂版 日本の海水魚』(山と渓谷社)、『世界で一番美しい海のいきもの図鑑』(創元社)、『海のなか のぞいた』(福音館書店)など。「たくさんのふしぎ」では『海は大きな玉手箱』(101号)、『ウミガメは広い海をゆく』(174号)、『この子 なんの子? 魚の子』(294号)、『ヒトスジギンポ 笑う魚』(328号)、『サメは、ぼくのあこがれ』(354号)、『海のかたち ぼくの見たプランクトン』(391号)がある。

書誌情報


読んであげるなら:―
自分で読むなら:小学中学年から
定価:770円(税込)
ページ数:40ページ
サイズ:25×20cm
初版年月日:2020年09月01日
通巻:たくさんのふしぎ 426号