作者


佐武絵里子

内容紹介


甘いメープルシロップ。一体何から作られるか知っていますか?

 「メープル」というのは「カエデ」のこと。

メープルシロップは、冬のおわりにカエデの木から採れる、甘い水から作られるのです。

でも、どうしてカエデの木のなかに甘い水があるのでしょうか。

木のなかでは、どんなことが起きているのでしょうか。

そんな謎を、楽しくときあかしていく絵本です。

担当編集者 より


絵本で紹介したように、カエデは細胞内にたくさんの糖分をためこむことで、厳しい冬のあいだ、木のなかが凍ってしまうのを防いでいます。水に物質が溶けていると、純粋な水よりも凍りにくくなる。そんな水の性質を巧みに利用した越冬方法です。そうして冬のあいだに大事な役目を果たした糖分ですが、春になると、今度は新しい葉や花をつくるためのエネルギーとして使われます。なんともうまくできた仕組みですよね。
取材時には、その甘い水をいただいて、長野県小谷村のペンションのご協力のもと、実際にメープルシロップづくりを体験しました。大きな鍋いっぱいのイタヤカエデの樹液を、ストーブの火にかけて、じっくりと煮詰めること半日。ようやくできあがったメープルシロップは、まさに絵本の通り、小さな瓶におさまるくらいの量に。こんなにも少なくなってしまうのかと驚きましたが、その甘さは格別でした。

作者情報


佐武絵里子(さたけえりこ)


神奈川県生まれ。東京藝術大学美術学部デザイン科卒業。花王株式会社作成部(パッケージデザイン担当)在籍後、レンデザインスタジオを設立。グラフィックデザインをはじめ、ウェブデザイン・ブックデザイン・絵本・映像撮影・映像編集など、幅広いデザイン制作に従事。「かがくのとも」に『やじるし』『あまいトウモロコシと かたいトウモロコシ』『のり』がある。神奈川県横浜市在住。

書誌情報


読んであげるなら:5・6才から
自分で読むなら:―
定価:460円(税込)
ページ数:28ページ
サイズ:25×23cm
初版年月日:2025年02月01日
通巻:かがくのとも 671号