作者


神戸宇孝

内容紹介


小さな水鳥のカイツブリは、水にもぐるのが大得意。

あっ今もぐった! どこから顔を出すかな? 

いつ出てきてくれるかな? 

……わあ、あんなところから出てきた! 

カイツブリが水にもぐってからの時間を「いち、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち、きゅう、じゅう」と数えながら、水面に浮かび上がったカイツブリとの再会を楽しむ絵本です。

編集担当者 より


 

 カイツブリという名の小さな水鳥をご存じでしょうか。日本全国で年間を通して出会える身近な鳥です。潜水が上手なカイツブリは、スクリューのような水かきを駆使して、あっという間に水に潜ったかと思うと、小魚や藻などの餌を見事に捕まえて水面に戻ってきます。思いがけない場所からぽこっと浮かび上がる姿はなんともユーモラスです。この絵本では、カイツブリが水に潜ってからの時間を「いち、に、さん……」と数えながら、水面に姿を現すカイツブリとの再会を楽しみます。
 作者の神戸宇孝さんはイギリスの野鳥雑誌で最優秀画家の一人に選ばれるなど、野鳥画家として第一線で活躍されてきました。そんな神戸さんは幼い頃、『どうぶつのおやこ』(福音館書店刊)などで知られる動物画家の薮内正幸さんの絵本に夢中になったそう。だから子どもたちに向けて絵本を描くことは、神戸さんにとって長年の夢だったといいます。
 今作は神戸さんが手がける初めての絵本です。躍動するカイツブリの姿をどうぞお楽しみください。そして読んだあとは、ぜひお近くの水辺に出かけてみてくださいね。「ケレケレ……」と鳴く愛らしいカイツブリに出会えるかもしれませんよ。

作者情報


神戸宇孝(ごうどうたか)


1973年、石川県生まれ。5歳の頃から野鳥観察を始め、小学生の時に野生生物画家の藪内正幸氏の画集を見て野鳥の絵を描き始める。自然環境管理を学び、環境教育の仕事についた後に、野鳥の絵を描く技術向上のために、英国サンダーランド大学自然環境画学科へ留学。滞在中に、英国の野鳥雑誌「Birdwatch」のコンペティションにて、最優秀画家の一人に日本人として初めて選出される。野鳥は「命ある生き物」という視点から、動きや生態を含めて野外スケッチをして作品を仕上げることを心がけている。著書に『はじめよう! バードウォッチング』(秋山幸也との共著/文一総合出版)がある。絵本の仕事は今回が初めて。神奈川県在住。

書誌情報


読んであげるなら:3才から
自分で読むなら:―
定価:460円(税込)
ページ数:24ページ
サイズ:23×20cm
初版年月日:2025年3月01日
通巻:ちいさなかがくのとも 276号