作者
筒井頼子 作/種村有希子 絵
内容紹介
自分でもなぜだか分からないけど、今日は園に来たくなかった“ぼく”。
友達とも遊ばないし、大好きなウサギにも触らない。
おまけに、やっちゃいけないことをして叱られる。
でも園長先生の部屋で、先生と一緒に同じイスに座っているうちに、なんだか気持ちが変わってきたんだ。
子どもの言葉にできない心の動きを、繊細な言葉と絵で描いたおはなしです。

担当編集者 より
なんとなくつまんないな、いやだな。子どものころのそんな言葉にならないもやもや、誰しも抱いたことがあるのではないでしょうか。
そばにいる大人はつい、心配して、どうかしたのかといろいろ尋ねてしまいますし、でも子どもは答えられないものだから、さらにこじれてしまったり。目に見えない気持ちと向き合うのは難しいものですね。
「作者のことば」のとおり、本作のモデルになった園長先生は、何も聞かずに受け止めることを選びました。その時の子どもさんは、中学生になった今も園長先生にお手紙をくれるそうです。
本作が、言葉にならないもやもやを抱える子どもたちと、そこに寄りそう大人たちの気持ちを、あたたかくほぐしてくれることを願っています。
作者情報
筒井頼子(つついよりこ)
1945年、東京都生まれ。広告会社勤務を経て、子育てをしながら絵本の執筆をはじめる。絵本に『はじめてのおつかい』『あさえと ちいさいいもうと』『いもうとのにゅういん』『とん ことり』『おでかけのまえに』『おいていかないで』(以上、絵・林明子)『ながれぼしを ひろいに』(絵・片山健/「こどものとも」1987年12月号)『みほといのはなぼうず』(絵・山内ふじ江/「同」1988年11月号)『そうちゃんはおこってるんだもん』(絵・渡辺洋二)など、童話に『いく子の町』『ひさしの村』(以上、福音館書店)など多数。宮城県在住。
種村有希子(たねむらゆきこ)
1983年、北海道生まれ。多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業。2011年「1_WALL」ファイナリスト入選、2012年『きいのいえで』で第34回講談社絵本新人賞。絵本に『ようちえんのおひめさま』(ともに講談社)『サンタクロースになるひ』(小学館)『ふぶきのみちは ふしぎのみち』(アリス館)『カラフルなひとりごと』(ほるぷ出版)『きょう、おともだちができたの』(文・得田之久/童心社)『きいろいリボン』(文・小林陽子/「こどものとも」2023年6月号)など。北海道在住。
書誌情報
読んであげるなら | :4才から |
自分で読むなら | :― |
定価 | :460円(税込) |
ページ数 | :28ページ |
サイズ | :26×19cm |
初版年月日 | :2025年03月01日 |
通巻 | :こどものとも年中向き 468号 |