作者


ルイス・ウルテアガ 採話・原文/星野由美 再話/あべ弘士

内容紹介


湖のほとりで、カメとクロジャガーが出会いました。

なりゆきでクロジャガーと力比べをすることになってしまったカメ。

木のつるでお互いを引っ張り合う綱引きです。

勝ち目のない勝負に思えましたが、カメは湖を見て、ある策を思いつきます。

弱い者が知恵を使って強い者を打ち負かす、痛快な昔話。

アマゾンならではの生き物たちの姿も見応えたっぷりです。

編集担当者 より


このお話に登場するのは、黒ヒョウならぬ黒ジャガー。

普通のジャガーと種が異なるわけではなく、遺伝によって稀に現れる黒い個体(メラニズム)です。

真っ黒に見えても、よく見ればジャガー特有の斑点模様がある……ということを、絵のあべ弘士さんから教わりました。

あべさんはアマゾンの上流を旅したこともあり、ジャガーをはじめとした現地の生き物についてもよくご存知です。

物語に登場する動物はたったの3匹(頭)ですが、様々な鳥や魚を背景に描き込み、生命に満ちた熱帯雨林の賑やかさを再現されています。

大きな冠羽が特徴的なイワドリや、羽の模様が数字のように見えるウラモジタテハなど、個性的な脇役たちにもご注目ください。

*「母の友」2021年2月号に、同じ訳者による「キツネとコンドル アンデスの昔話」(星野由美 再話 早川純子 絵)が掲載されています。

作者情報


ルイス・ウルテアガ(Luis Urteaga)


1940~2020。作家、ペルー生まれ。ホセ・マリア・アルゲダス小説賞など受賞多数。1979年から88年まで、アマゾンのウカヤリ川流域に暮らす先住民の調査・研究を実施。

星野由美(ほしのゆみ)


1969年、東京生まれ。過去のペルー大使館勤務、南米滞在を生かして、スペイン語圏の絵本と詩の翻訳につとめている。訳書に『たかく とびたて 女の子』(汐文社)『いっぽんのせんとマヌエル』(偕成社)ペルー日系詩人『ホセ・ワタナベ詩集』(土曜美術社出版販売)など。

あべ弘士(あべひろし)


1948年、北海道旭川市生まれ。72年から96年まで旭山動物園に飼育係として勤務。絵本に「あらしのよるに」シリーズ(講談社)『くじらのあかちゃん おおきくなあれ』『雪の上のなぞのあしあと』(ともに福音館書店)『ちび竜』(童心社)など多数。

書誌情報


読んであげるなら:4才から
自分で読むなら:―
定価:440円(税込)
ページ数:32ページ
サイズ:26×19cm
初版年月日:2021年02月01日
通巻:こどものとも年中向き419号