作者


とみながまい 文/おくやまゆか 絵

内容紹介


キヌコはタヌキの女の子。

このごろ化けるのが上手になってきて、ついに人間にも化けられるようになりました。

でも、しっぽはついたまま。

そこで、スカートでしっぽを隠して出かけることにしました。

すると、原っぱで遊んでいる人間の女の子を見かけて……。

新しい友達との出会いを描いた、春らしいお話です。

担当編集者 より


この絵本の最大の魅力は、主人公のキヌコがある「秘密」を持っていることです。その秘密とは、もちろん、正体がタヌキだということ。

ツキコちゃんという人間の友達ができて、キヌコの心にはワクワクがこみ上げてきます。でも同時に、正体がばれてしまわないかというドキドキも。『タヌキのキヌコ』は、そんなキヌコの気持ちにたっぷり感情移入できる、楽しいお話になっています。

特に、ツキコちゃんと野原ででんぐり返りをしたり、木登りをしたりする場面は、「しっぽが見えちゃう!」とこちらもハラハラして、物語に引き込まれること間違いなし。はたして、キヌコは無事に秘密を隠し通すことができるのでしょうか?

ところで作者のとみながまいさんは、子どものころから「あの人、もしかして本当は河童かも?」などと想像するのが好きだったそうです。そんな愉快な空想が、この物語の源の一つになっています。自分の住んでいる街にも、動物や妖怪の化けた人が紛れ込んでいるのかも……なんて考えてみると、きっと楽しいですよ。

作者情報


とみながまい


1971年、東京都生まれ。多摩美術大学卒業。映画や子ども番組等の監督を経て絵本作家に。絵本に『あずきの あんちゃん ずんちゃん きんちゃん』(「こどものとも」2018年3月号/「こどものとも絵本」として2023年1月に刊行予定)『ぞーっくしょん!』(「こどものとも年中向き」2019年2月号)『ねこまたえん』(「こどものとも」2022年7月号)『うれないやきそばパン』(金の星社)『あなふさぎのジグモンタ』(ひさかたチャイルド)『こんこんとやさしいやさい』(教育画劇)などがある。東京都在住。

おくやまゆか


福岡県生まれ。早稲田大学卒業。イラストレーター、絵本作家、マンガ家として活動する一方、都内図書館に勤務。マンガに『たましい いっぱい』(第19回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞受賞)『むかしこっぷり』(ともにKADOKAWA)『コットリコトコ』(小学館)、児童書に『うりぼうウリタ』(偕成社)『三まいのはがき』(福音館書店)、装画・さし絵を手がけた作品に『ふたりは世界一!』(偕成社)などがある。友人たちと、マンガと小説の雑誌「ランバーロール」を主宰。神奈川県在住。

書誌情報


読んであげるなら:4才から
自分で読むなら:―
定価:440円(税込)
ページ数:28ページ
サイズ:26×19cm
初版年月日:2023年04月01日
通巻:こどものとも年中向き 445号