作者
澤口たまみ 文/辻川奈美 絵
内容紹介
夏の夕暮れ、ゆっくりと道を歩く「虫」を見つけました。
「こんなところを歩いていたら、ふまれちゃうよ」と、その「虫」を家に連れて帰り、家のカーテンにとまらせておくと、セミの姿に大変身! 「虫」はセミの幼虫だったのです。
茶色い幼虫の背中が割れて、中から出てくるセミの成虫との出会いは、一生忘れえぬ夏の日の思い出となることでしょう。

編集担当者 より
夏の夕方、地面を歩くセミの幼虫を見つけたら、家に連れて帰ってみるのはいかがでしょうか?
網戸やカーテンにとまらせてしばらく待つと、背中が割れて羽化が始まり、1時間ほどかけて成虫が姿を現します。そのダイナミックな羽化の様子はふしぎに満ちており、神々しさすら感じます。
文章を手掛けたのは、多数の自然科学絵本を紡いできた澤口たまみさん。「幼いころ、“なんとかしてセミの羽化の瞬間を見たい!”と思った自分の体験を、そのまま書きました」とおっしゃっていました。
絵を描いたのは、『ふうせんむし』(「かがくのとも」2024年8月号)で、虫とその生息環境を見事に描き切った辻川奈美さんです。この数年、夏になるたびにたくさんのセミの幼虫を捕まえてきては観察し、記録し続けた辻川さんが、美しくどこか妖しいセミの羽化をみごとな色彩で表現しました。
この夏はぜひセミの幼虫と、その羽化に出会ってみてください。