作者


アンナ・マリア・ロース 作 菱木晃子 訳 伊藤夏紀 絵

内容紹介


足をけがしたこねこちゃんが、暗い森に住む、医者のフクロウ先生をたずねます。

木の中の診療所で、先生は「ふーむ これはだ こねこちゃん」と魔法のような治療をしてくれて……。

スウェーデンの古い詩を元にした、こねこちゃんと先生のユーモラスなやりとりが楽しいお話です。

お医者さんにかかるドキドキ感や、治るうれしさに、小さな子は共感できることでしょう。

担当編集者 より


このお話は、1912年にスウェーデンのアルベルト・ボニエ社から刊行された初等教育読本に所収されていた、“Kissemissen(こねこちゃん)”という詩がもとになっています。作者のアンナ・マリア・ロースは、スウェーデンで生まれ、教育者、作家、神智学者、作詞家として幅広く活躍しました。彼女のリズミカルな詩を、北欧の児童書を中心に翻訳を手がける菱木晃子さんが訳してくださいました。

けがをした時の痛みや心細さ、お医者さんにかかる時のドキドキした気持ち、良くなったうれしさ――。さまざまな心の動きが軽快に描かれていて、小さな子どもたちは、こねこちゃんに心を寄せながら読んでくれることでしょう。こねこちゃんの足はもともと白いのに、「おやゆびが まっしろだ」と驚いてしまうような、可笑しな医者のフクロウ先生も魅力的です。

絵は伊藤夏紀さん。北欧の森の雰囲気を感じさせる舞台と、物語にぐっと引き込まれる愛らしい登場人物たちにご注目ください。フクロウ先生の診療所の中はすみずみまで細やかに描かれており、遊び心にあふれた小物の絵も、きっと子どもたちを魅了するはずです。ぜひ何度もお楽しみいただけたらうれしいです。

作者情報


アンナ・マリア・ロース


スウェーデンのストックホルムで生まれる。高等女子師範学校で学び、教育者、作家、神智学者、作詞家として幅広く活躍した。(1862年~1938年)

菱木 晃子(ひしき あきらこ)


1960年、東京都生まれ。慶應義塾大学卒。北欧の児童書を中心に翻訳を手がける。訳書に『月へミルクをとりにいったねこ』『バレエをおどりたかった馬』『ニルスのふしぎな旅』(以上、福音館書店)『長くつ下のピッピ』(岩波書店)『けがをした日』(ブロンズ新社)など。

伊藤 夏紀(いとう なつき)


東京都生まれ。第3回MOE創作絵本グランプリ佳作を受賞。絵本に『もぐたさんの あたらしいおへや』(「こどものとも年中向き」2024年6月号)『もぐたさんの たんぽぽさんぽ』(「同」2020年4月号/ともに福音館書店)『ハンカチやさんのチーフさん』(白泉社)『カメレオンたんてい・ドロン としょかんどろぼう』(あかね書房)など多数。

書誌情報


読んであげるなら:2才から
自分で読むなら:―
定価:460円(税込)
ページ数:24ページ
サイズ:21×20cm
初版年月日:2025年11月1日
通巻:こどものとも年少版 584号