毎月、新刊絵本を届けて70年。月刊絵本「こどものとも」は今年で創刊70周年を迎えます。

月刊絵本「こどものとも」は1956年の創刊以来、想像の翼となる豊かな絵とともに、昔話を絵本としてよみがえらせることで、そのたのしみを届けたいと願ってきました。


2024年より届けてまいりました30冊に加え、今回、第3弾として新たに15冊を限定ハードカバー化します。

どの作品も世界各地の多様性や昔ばなしの魅力あふれる力強い絵本ばかりです。

ぜひ絵本で昔ばなしを楽しみながら世界を旅してみてください。

こどものともひろば 運営係


▲こどものとも世界昔ばなしの旅Ⅲセット(15冊)
▲こどものとも世界昔ばなしの旅セット(15冊):2024年復刻
▲こどものとも世界昔ばなしの旅Ⅱセット(15冊):2025年復刻

今回は『こどものとも世界昔ばなしの旅Ⅲセット』15冊の魅力をご紹介いたします。


1:『おうさまのくれた ごほうび ブルガリアの昔話
八百板洋子 再話/岡田知子 絵


交換されどんどんと替えられていくご褒美の金塊

 森でたきぎを拾っていたおじいさんは、森の川でおぼれている王様を助けました。王様はおじいさんをお城に連れて行き、ごほうびに大きな金塊をくれました。金塊を抱えお城を出たおじいさんが歩いていくと、馬飼いに会い、金塊を馬と交換します。次に会ったのは牛飼いで、馬を牛と交換します。牛を羊にと次々交換し、最後に針と交換しましたが、家に着いた時には何も持っていませんでした。

2:『カエルのおよめさん メキシコ・ミヘ族の民話
清水 たま子 文/竹田 鎮三郎 絵


王様の3人の息子がお嫁さん探しの旅に出ますが……

このお話に登場するカエルは農民にとって雨や水を連想するとても意味のある生き物です。またメキシコでも、日本の八百万の神のように数多くの神がいて、先住民族の人々はこの世の生命あるすべてのものと心を通わせているという文化があります。彼らは一人一人に一生の守り神のようなトナという存在を持っています。カエルは主人公にとって大事なトナなのかもしれません。そしてカエルをお嫁さんに迎えるということは、農民にとって一生水に困らないということを意味しているのです。

3:『カラスとカモメ アラスカ・クリンギット族の昔話より
二川 英一 作・絵


欲張りなカモメと賢いカラスの太陽を巡る攻防。

欲張りなカモメが太陽をひとりじめ。世界はまっくらになり、動物たちは困ってしまいました。そこで賢いカラスが知恵をしぼり、ウニやシャチの力を借りて、ついにはカモメから太陽を取り戻します。木版画のやわらかさで、カラスとカモメのユーモラスなやりとりを描き、白黒のくっきりとしたコントラストが、「光と闇」を際だたせます。「この世の始まり」を力強く語る、昔話の絵本です。

4:『カンジカおばあさんのおきゃくになったうさぎたち エヴェンキ民話
アンナ・ガルフ 再話/内田莉莎子 訳/小野かおる 絵


森に住むおばあさんとわんぱくウサギたちの物語

森に住む猟師のおばあさんと一緒に暮らす3匹のわんぱくなウサギ。ある夜おばあさんの槍を持ち出し、森で大騒ぎして、眠っていたクマを起こしてしまいました。怒ったクマはウサギの落とした槍を、逃げるウサギめがけて投げつけますが、槍はウサギたちの耳をかすめていきます。槍がかすめたウサギたちの耳の先は、黒くなっていました。それ以来ウサギの耳の先は黒いままです。ユキウサギの耳の先はなぜ黒いのかという東シベリア伝承の物語です。

5:『きんのねこ ベラルーシの昔話より
八百板洋子 再話/平子真理 絵


願いをかなえてくれる金色のねこのお話。

老夫婦が白樺の森のそばで暮らしていました。パンをつくる粉がなくなり、白樺を切って、売って、粉を買おうと、おじいさんは森へ行き、木を切ろうとすると、金色のねこが現れて「白樺を切らないでくれれば、お礼に願いごとをかなえてあげます」と言いました。おじいさんは、粉がほしいことをねこに伝え、木を切らずに帰ると、家には粉が入った袋がありました。ねこに願いを叶えてもらったおじいさんたちから話をきいた隣のお屋敷のよくばりのだんなさんは、同じように木を切り行き、ねこに大きなお屋敷がほしいといいましたが、ねこは怒ってこれまで住んでいたお屋敷を粗末な小屋に換えてしまいました。

6:『コマツグミのむねは なぜあかい 北アメリカ チペワの人たちの民話
大塚勇三 再話/羽根節子 画


人間や動物が大切にしてきた焚き火を守った小鳥の話

むかし北の国に、人間や動物が体を温めたり料理をしたりするために大切に守られてきた、たったひとつの焚き火がありました。ある日、暖かいものは何でも嫌いなシロクマが焚き火を踏み消そうとします。シロクマが去った後の焚き火にはわずかな種火が残っていました。その様子を見ていたコマツグミは焚き火の上で跳びはね仰いでなんとか火を大きくすることができました。コマツグミのむねはやけどをしてしまいましたが、なんとも思いませんでした。それ以来コマツグミのむねはきれいな赤色になったのです。

7:『サムリ まめを とりかえす タイの昔話
よしざわようこ 再話/チャイヤン・コムキャウ 絵


カラスに豆をとられた男の子が、取りかえすためにやったことは?

町へ出かけるおじいさんとおばあさんに、カラスから畑の豆を守るように言われたサムリ。友だちがやってくると遊びに夢中になり豆を取られてしまいます。サムリはカラスから豆を取り返そうと、猟師に頼みますが断られ、次はねずみに猟師の弓糸をかじってくれるよう頼みますがこれも断られ……というように続いていき最後に小さな蜂が応えてくれ、一気にお話は逆に戻りだし豆を取り返すことができるという、タイのぐるぐる話です。

8:『つきをいる 中国民話
君島久子 訳/瀬川康男 画


ぎらぎらと熱くもえる月を射った男の物語

これは中国の先住民族に伝わる月と夜空の星にまつわる民話です。おおむかし、空には太陽があるだけで、月や星はなく、よるは真っ暗闇でした。あるばん、突然ギラギラと燃えるゴツゴツとした形の月があらわれて、あやしい光を出し、田や畑を枯らしてしまいます。男は矢で月を射り、月はゴツゴツした角がとれ丸くなり、角はみんな夜空の星になりました。男は妻が織った錦を矢で放つと、錦は月を覆い、月はあやしい光を放たなくなりました。するとそこに織り込まれた男の妻が動き出し、地上の妻に手招きをします。男の妻は舞い上がり、月に飛び込み錦の中の妻と一つになってしまいました。男は嘆き悲しみますが、月にいる妻は男を月に招き入れ、以来二人は、月で幸せに暮らすことになりました。月に見える黒い影は、二人の影なのです。

9:『スリランカの昔話より てんごくにいったのうふ』
プラサンサ・カルコーッテゲ 再話・訳/イノーカ・デ・シルバ 絵


農夫が象につかまってたどり着いたのは天国でした。

ある日、農夫が田んぼを荒らす象を見張っていると、夜明け近くになって天に昇っていこうとするので、慌てて象のしっぽにつかまりました。そのまま昇っていき、着いたところは天国。農夫が天国の土産を持ち帰ると、村じゅうに噂が広がり、みんなが天国に行ってみたいと懇願します。庶民の憧れを形にしたようなおかしみのある昔話で、インドやスリランカなどで親しまれているお話が元になっています。

10:『トラとネコ ネパールの昔話
プル・トゥリパティ 再話/いばやしまさこ 絵


仲が良かったトラとネコが仲違いをしたわけは?

昔トラとネコは仲の良い親戚で同じ森に暮らしていました。遊びに来たネコに、木登りを教えてもらったトラおじさん、やっと木の上まで登ったものの降りるのが怖くなり、おまけにお腹がたまらなくすいて、目の前のネコを食べようとします。ネコは一気に木から降りて逃げましたが、トラはうまく降りられず木の下に落ちてしまいます。その日以来、怒ったトラたちはネコたちを追い回すようになりました。ネコは森を出てトラが近づけないように人間の村へ逃れ暮らすようになりました。

11:『ナガイモンジャ 東アフリカ・マサイ族のお話
よしざわようこ 再話/オマリ・アダム ほか 絵


謎のいきものナガイモンジャ。さて、その正体は?

「木を食い散らし、ぞうだってふみつける!」と豪語する、謎のいきものナガイモンジャが、うさぎの家を占拠してしまいます。うさぎに加勢して、ジャッカルやヒョウやぞうたちが追いだそうとしますが、うまくいきません。知恵を働かせて、ナガイモンジャを追い出したのは小さなかえるでした。さて、うさぎの家から出てきたいきものの正体は?マサイ族のお話を、タンザニアの画家たちが描きます。

12:『ニューカレドニアのおはなし ネズミのしっぽ』
大角翠 採話/あべ・ボストン 文・絵


ネズミに長いしっぽがついているそのわけは?

昔、ネズミにはしっぽがありませんでした。ある時、海におぼれそうになったネズミをタコが助けてくれました。ところが、ネズミはお礼を言うどころか、タコを笑いものにしたために、仕返しに長いしっぽをくっつけられてしまったのです。南太平洋の島国で語り継がれてきた、おおらかなユーモアにあふれたお話です。

13:『プレッツェモリーナ イタリアの昔話
剣持弘子 再話/小西英子 絵


小鳥を魔女の女王から盗み出せ!

少女プレッツェモリーナは魔女たちに捕まり、囚われの身になってしまいます。あるとき、魔女の女王の御殿に忍び込んで小鳥を盗み出すという難題を課せられたプレッツェモリーナは、井戸の底から救い出した謎の黒猫ガット・ベルラッコの力を借りて、迫りくる困難を次々と切り抜けていきます。そして無事小鳥を盗み出すことに成功します。小鳥が女王の手から離れると、黒猫と魔女たちの姿が…。

14:『まるきのヤンコ スロバキアの昔話
洞野 志保 再話・絵


魔女にさらわれた、人形から人間になったヤンコ。

子どものいない夫婦が木の人形を作って、子守歌を歌ってやると、人形の目が開き、体が動き始めました。そこで、夫婦は男の子にヤンコと名づけました。3人は幸せに暮らしていましたが、ある日、森の奥に住む魔女がヤンコを食べようとさらっていきます。ヤンコはなんとか魔女の家から逃げ出しますが、魔女はすぐに追いかけてきます。ヤンコは木に登って、空飛ぶガンに助けを求めます。スロバキア在住の著者が再話し描いたスロバキアの昔話です。

15:『よくばりワシカ ラトビアの昔話
内田莉莎子 再話/平出衛 画


ごちそうを見つけた、よくばりねこのワシカ。

おなかをすかせたねこのワシカは、森で鳥の巣の中に卵を2個見つけました。でもすぐには食べません。このあと卵が産み落とされて増えていくのを待つつもりでした。卵が5個に増えていても食べません。卵から雛が孵ってから食べることにしました。それから2週間待ちました。5羽のひなが卵から孵っていましたが、それでも食べませんでした。大きく育ってから食べることにしたのです。はたしてワシカはごちそうにありつけたのでしょうか?

書誌情報(セット)


読んであげるなら:4歳から
自分で読むなら:小学低学年から
定価:15冊セット定価19,800円(本体18,000円)
ページ数:各28~32ページ
表紙サイズ:各28×21cm
初版年月日:2026年4月5日
シリーズ:―