2026年に創刊70周年を迎える月刊絵本「こどものとも」では、日本のみならず世界各地のさまざまな昔話を絵本でお届けしてきました。


今回、そのなかから15冊を復刊してお届けします。


世界各地の豊かな文化に触れつつ、個性的でおもしろい昔話の世界をお楽しみください。

4月1日の刊行に合わせて、15作品それぞれの魅力を毎日更新でお伝えいたします。

こどものともひろば 運営係


『おひさまをほしがった ハヌマン』

A・ラマチャンドラン 作・絵/松居直

「世界昔ばなしの旅」最初の作品は、インドの昔話『おひさまを ほしがった ハヌマン』。

ハヌマンは、サルの姿をした神様として、インドでは昔からたいへんな人気ものです。

おはなしの舞台


風の神ワーユの息子ハヌマンは、お日さまのすばらしさに心を奪われ、空高く舞いあがると、どんどんお日さまに近寄っていきます。

驚いたお日さまが助けを呼び、そこに通りかかった神々の王インドラがハヌマンを倒します。

動かない息子の姿をみた風の神ワーユは悲しみのあまり姿を消し、この世は空気がなくなって死の世界になってしまいました。

そこでインドラは、世界を救うためにワーユとハヌマンを探す旅に出て……。


インドで大昔から語り継がれている神々の叙事詩「ラーマーヤナ」の壮大な物語世界を、インド画壇の重鎮ラマチャンドランさんが伝統的な技法を取り入れ美しく描いています。

A・ラマチャンドラン


1935年、南インドのケララ州生まれ。ケララ大学マラヤラム語文学部で学んだ後、サンチニケタンのヴィシュヴァバラティ大学で美術を学ぶ。1992年までニューデリーのジャミアミリア大学で美術学部を創設、長年学部長を務める。1980年頃から伝統的な視覚表現を強く意識した独得な作品で、現代インド画壇の重鎮として活躍している。インド、イギリス、アメリカそして日本で出版された絵本は、50冊を超える。野間絵本原画コンクール(1978~1980年度)で受賞。2005年、インドの文化勲章を受章した。インド・ニューデリー在住。

松居直(まついただし)


京都府生まれ。同志社大学卒業後、1952年福音館書店の創業に参画。編集部長、社長、会長、相談役を歴任。主な絵本に絵本『こぶじいさま』『ももたろう』(サンケイ児童出版文化賞受賞)『だいくとおにろく』『ぴかくんめをまわす』『山になった巨人』『桃源郷ものがたり』(以上、福音館書店)著書に『私のことば体験』(福音館書店)『絵本とは何か』(筑摩書房)『絵本をみる眼』『絵本を読む』(以上日本エディタースクール出版部)『松居直自伝』(ミネルヴァ書房)『絵本は心のへその緒』(日販アイ・ピー・エス)『絵本のよろこび』(NHK出版)など著書多数。1926~2022。

書誌情報(セット)


読んであげるなら:4歳から
自分で読むなら:小学低学年から
定価:15冊セット定価16,500円(本体15,000円)
ページ数:各32ページ
表紙サイズ:各20×27cm
初版年月日:2024年4月1日
シリーズ:―