2026年に創刊70周年を迎える月刊絵本「こどものとも」では、日本のみならず世界各地のさまざまな昔話を絵本でお届けしてきました。


今回、そのなかから15冊を復刊してお届けします。


世界各地の豊かな文化に触れつつ、個性的でおもしろい昔話の世界をお楽しみください。

4月1日の刊行に合わせて、15作品それぞれの魅力を毎日更新でお伝えいたします。

こどものともひろば 運営係


『もどってきたガバタばん』

渡辺茂男 訳/ギルマ・ベラチョウ

「世界昔ばなしの旅」4つ目の作品は、アフリカ・エチオピアのお話『もどってきたガバタばん』。

ガバタというのは、エチオピアでとても人気のあるボードゲームのこと。ガバタ盤はそれを楽しむためのボードで、日本で言えば将棋盤のようなものです。そのガバタ盤をめぐる、エチオピアのゆかいなお話です。

おはなしの舞台


男の子は、お父さんに作ってもらったガバタ盤(将棋盤)を気に入って、牛を追うときにも大事に持っていきました。

ところがある日、火をおこすために木をほしがっていた人たちに、ガバタ盤を燃やされてしまいました。悲しみに暮れる男の子。ガバタ盤を燃やしてしまった人たちは、代わりに立派なナイフをくれました。

しばらく進むと、こんどは水をさがして地面を掘っている人に出会います。男の子はその人にナイフを貸しますが、堅い地面でナイフが折れてしまい、今度はかわりに立派な槍をもらいます……。


 


こうしていろいろな人たちと出会い、新しいものと交換していくうちに、最後に男の子が手にしたものはいったい……? 

ゆかいなぐるぐる話を、エチオピア生まれの画家がおかしみたっぷりに描いています。ぜひお楽しみください。

渡辺茂男(わたなべしげお)


1928年静岡県に生まれる。慶應義塾大学文学部卒業後、渡米。ウエスタンリザーブ大学大学院をおえ、ニューヨーク公共図書館児童部に勤務。帰国後、慶應義塾大学文学部図書館学科教授を経て、子どもの本の仕事に専念。創作に、童話『もりのへなそうる』、絵本『とらっく とらっく とらっく』『しょうぼうじどうしゃ じぷた』『どうすればいいのかな?』(以上福音館書店)など。訳書には、絵本『どろんこハリー』『かもさん おとおり』「スモールさん」シリーズ、童話「きかんぼのちいちゃいいもうと」シリーズ(以上福音館書店)「ミス・ビアンカ」シリーズ(岩波書店)など、著書に『心に緑の種をまく―絵本のたのしみ』(新潮社)などがある。

ギルマ・ベラチョウ


エチオピアのアディスアベバに生まれた。幼少より宮廷画家であった父親の手ほどきで、エチオピア伝統絵画に親しみ、その手法を習得。1970年に、万国博エチオピア館員として来日、その後京都市立芸術大学日本画科に学ぶ。日本各地、ニューヨーク、ドイツなどで個展をひらいた。

書誌情報(セット)


読んであげるなら:4歳から
自分で読むなら:小学低学年から
定価:15冊セット定価16,500円(本体15,000円)
ページ数:各32ページ
表紙サイズ:各20×27cm
初版年月日:2024年4月1日
シリーズ:―