作者


平野伸明 ぶん/ユカワアツコ

内容紹介


「ももたろう」でおなじみの鳥、キジは、日本の国鳥です。

意外と人里近くに暮らし、家族の絆が強い鳥でもあります。

オスは家族を守るために周囲を常に見張り、天敵と勇敢に闘います。

メスは卵やヒナから片時も離れず、ヒナに生きる術を教えます。

これまで知られてこなかったキジの暮らしを丹念な取材によって明らかにし、その温かな家族の絆を描きました。

担当編集者 より


キジは、昔話「ももたろう」でおなじみの鳥。実は、日本の国鳥です。

でも、キジがどんな暮らしをしているのかを知る人は少ないのではないでしょうか。

この絵本は、NHK「ダーウィンが来た!」の映像などを手がける平野伸明さんが、知られざるキジの暮らしを明らかにしようと、フィールドでキジの家族に密着し、その取材に基づいて制作されました。

観察してわかったことは、キジの家族の絆の強さ。

オスは他の多くの鳥と違い、ヒナが生まれた後も家族から離れず、いつも周囲を見張っていて、天敵と勇敢に闘います。

メスは、卵やヒナから片時も離れず、ヒナたちに生きる術を教えます。

そんなキジの家族の姿に平野さんが感銘を受け、この絵本が生まれました。

絵を手がけたのは、鳥の絵を主に描くイラストレーターのユカワアツコさん。

精緻で確かな筆致で、成鳥の美しさと躍動感、ヒナの愛らしさを見事に描き上げました。

特に大切にしたのは、ヒナの羽毛の「ホワホワ感」。

愛くるしいヒナの姿と、その成長をぜひご覧ください。キジの羽の色をタイトルに配した表紙デザインは、名久井直子さんです。

キジ単体をテーマにし、その生態を扱った絵本は、これまでほぼありませんでした。

この絵本を通して、今まで明らかにされてこなかったキジの暮らしを知り、その温かな家族の絆を通して、実は身近にいるキジに親しんでもらえたら嬉しいです。

作者情報


平野伸明(ひらののぶあき)


1959年生まれ。映像制作プロダクション主宰。映像作家・写真家。著書に『野鳥記』『手おけのふくろう』『スズメのくらし』(以上福音館書店)、『身近な鳥の図鑑』(ポプラ社)等。NHK「ダーウィンが来た!」「さわやか自然百景」「ワイルドライフ」等の映像を手がける。

ユカワアツコ(ゆかわあつこ)


主に鳥を描くイラストレーター。個展で精力的に作品を発表し、古い箪笥や机などの引き出しの中に鳥の絵を描く「引き出しの中の鳥」シリーズが人気を博している。鳥の小物などを制作・販売する「トリル」を運営。梨木香歩著『冬虫夏草』(新潮社)ほか、装丁画も手がける。近著に『草木鳥鳥文様』(梨木香歩・文/長島有里枝・写真/2021年3月福音館書店刊)。

書誌情報


読んであげるなら:5・6才から
自分で読むなら:―
定価:440円(税込)
ページ数:28ページ
サイズ:25×23cm
初版年月日:2021年08月01日
通巻:かがくのとも 629号