作者


島村木綿子 文/荒川 暢 絵

内容紹介


今日は初めての虫とり。チョウをめがけて網を振ったけど逃げられちゃった。

でも、草むらを網でガサガサとかき回すと……? 

あっ、網にバッタが入ってる! 

動き回る虫を追いかけなくても、草むら網でをかき回すだけなら、幼い子でも虫とりを楽しむことができます。

さあ、どんな虫に出会えるかな? 読めば、虫とり網を振りたくなること間違いなしの絵本です。

編集担当者 より


この絵本では虫とり網が大活躍!

公園にきた主人公は、チョウをめがけて網を振るいますが、ひらりと逃げられてしまいます。そして「あーあ、つまんないの……」と言いながら、草むらを網でガサガサとかき回すと……? なんと網にはバッタの姿が!

動く虫に狙いを定めて網を振るのは、幼い子にとっては大変なこと。でも草むらを網でかき回すことなら簡単にできます。

じつはこれ、“スウィーピング”と呼ばれる立派な虫とりの手法なのです。バッタにカマキリ、チョウにトンボ。主人公は次々と虫に出会います。初夏のまだ小さな虫の姿はどこか初々しく、初めて虫とりに挑戦する主人公の姿と重なるようです。

今回、初めて絵本の文章を手掛けるのは、詩人で童話作家の島村木綿子さん。編集者と一緒に夢中になって網を振った取材を経て、虫と出会う喜びや、網を振る音の一音にもこだわって言葉にしてくださいました。

絵は、これまで様々な生き物を絵本に描いてきた荒川暢さん。「今作の主役はじつは網だと思うんです」と語る荒川さんが、生き物のように躍動する網を見事に絵にしてくださっています。

読めば、虫とり網を振りたくなること間違いなしの1冊です。

作者情報


島村木綿子(しまむらゆうこ)


熊本県生まれ。詩人、童話作家。1998年に童話「うさぎのラジオ」で毎日新聞小さな童話大賞。2002年に詩集『森のたまご』(銀の鈴社)で第6回三越左千夫少年詩賞。2022年に『カステラアパートのざらめさん』(Gakken)で第30回小川未明文学賞。その他の作品に『七草小屋のふしぎなわすれもの』(第53回青少年読書感想文全国コンクール課題図書)『七草小屋のふしぎな写真集』『うさぎのラジオ』『あやめさんのひみつの野原』『オセロのジャムとにじ色トカゲ』(以上、国土社)など。自然の営みを背景に、人と生き物のふしぎで温かな交流を描くことを得意としている。絵本の仕事は今回が初めて。長崎県在住。

荒川 暢(あらかわみつる)


1966年、東京都生まれ。武蔵野美術大学大学院造形研究科でリトグラフを学ぶ。1994年から1996年にかけて文化庁派遣芸術家海外研修員として渡米。絵本に『クモと糸』(「たくさんのふしぎ」)、『すずめ ちゅん』(「こどものとも0.1.2.」)、『かに かにの すなだんご』『ぴょーぴょー くるかな』『しょぽろしょぽろ まちのかわ』『なみとび』『すなはまの あな』『うみのなかが みえるよ』『わたし はくちょうを みたの』(「ちいさなかがくのとも」/以上、福音館書店)などがある。東京都在住。

書誌情報


読んであげるなら:3才から
自分で読むなら:―
定価:460円(税込)
ページ数:24ページ
サイズ:23×20cm
初版年月日:2025年5月01日
通巻:ちいさなかがくのとも 278号