作者

かわしまはるこ 作


内容紹介


おばあちゃんの家の柿の木に、りっぱな実がなりました。

その実をめがけて、鳥や虫が次々とやってきます。

柿の実は生き物みんなのごちそう。だからぜんぶとらないで、いくつか木に残してあげるんだ。

秋の里山を舞台に、柿をとりまく生き物たちの営みを、生命力あふれる精緻な絵で描きます。

読めば、柿の実がいっそう身近に、そして愛おしく感じられる1冊です。

編集担当者 より

 秋の味覚の代名詞である柿の実は、生き物みんなにとってのごちそうです。秋になると、メジロやヒヨドリなどの野鳥は実を食べに、キタテハなどのチョウは実の蜜を目当てにやってきます。日照が減り、気温が下がる秋から冬にかけては、多くの生き物が、食べ物を探すのに苦労する季節。そんな秋にたくさんの実をつける柿は、生き物たちの貴重な栄養源なのです。
 みなさんは秋の終わりごろ、柿の木の上部に実が数個だけ残されている光景を見たことがあるでしょうか。じつはこれ、柿の実を生き物と分かちあって来年の豊作を祈る、「木守り柿(きまもりがき)」「木守りの柿(こもりのかき)」などと呼ばれる風習なのです。この絵本に描かれたこの風習は、いまも日本各地に伝わります。
 作者はかわしまはるこさん。前作『いしがきの すきまに』(「ちいさなかがくのとも」2020年6月号)と同じ里山を舞台に、柿の木をとりまく風景と生き物たちの姿を丹念に取材し、描いてくださいました。つやつやと輝く柿の実、そして精緻で迫力のある生き物の絵は圧巻です。
 柿がいっそう身近に、そして、愛おしく感じられるようになる1冊です。

読んであげるなら :3才から
自分で読むなら :―
定価 :460円(税込)
ページ数 :24ページ
サイズ :20×23cm
初版年月日 :2025年10月01日
通巻 :ちいさなかがくのとも 284号