福音館書店の絵本は、全国各地にある「こどものとも社」を通して園のみなさまにお届けしています。

この連載では、そんな「こどものとも社」で働く方のイチ推し絵本を紹介していきます!

こどものとも社の方々の想いや、個性が垣間見える連載にしていきますね。熱心な方々のイチ推し絵本、きっと参考になると思います。

第11回は、「㈱北新越こどものとも社・石川営業所」より、高山篤志さんのイチ推し絵本です。

こんにちは
北新越こどものとも社の髙山篤志です 
 
弊社は石川県・富山県・新潟県を担当しています。営業所は石川営業所と新潟営業所があります。月初めに「月刊絵本を読む会」を開いています。営業所間は、常にモニターで繋がっていますので違和感なく絵本の読み合いができます。月刊絵本を一人でも多くの子ども達に届けたい、とみんなで確認し合う月に一度の楽しみです。


私の一冊は、石川県輪島市の「輪島朝市」の風景を描いた絵本

『あさいち』です。

『あさいち』は1980年1月に「かがくのとも」で出版されましたが、昨年2025年1月1日に発生した能登半島地震の復興支援を目的として復刊されました。

地震発生当初は道路が分断され、被害状況も分からず通行出来たのは自衛隊と災害支援車両だけでした。
私がようやく輪島市に入れたのは3月14日です。目的は復刊したばかりの『あさいち』を市内の保育施設にお届けすること。そして皆さんに少しでも元気になっていただきたいという願いでした。

しかし、焼失した朝市通りを目の当たりにして、本当にこの絵本を被災地に届けて良いのか激しく苦悩しました。 
ところがその心配はありませんでした。すでに報道で『あさいち』の復刊を知っていた先生方は大喜びでした。

ページをめくり「わたしのおばあちゃんが描かれている」というまさかの展開も。


「いろは橋は昔は緑色だったよね」
「この小屋はじいちゃんが漁師の番屋にしていた旅館だったの」
先生方から次々と思い出が語られました。

「あさいち」の作者、大石可久也さんは取材をきっかけに地元の人々と親交を深め、その後何年も朝市に通われたそうです。当時の折り込みチラシの編集部だよりには、地べたで商売をする人々の労働を伝えたかったと書かれています。

絵本『あさいち』は能登半島地震を機に私の一冊になりました。

㈱北新越こどものとも社 髙山篤志

㈱北新越こどものとも社 


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