作者 


長倉洋海 文・写真

内容紹介


時間がすぎても変わらない大切なこと・・・・・・写真家の長倉洋海さんは、30年にわたり、アマゾンの先住民クリカチの子どもたちを撮り続けてきました。伝統的な踊り好きの少年が医学生になったり、ハンモックで眠っていた少女は看護師になったり、子どもから大人へ成長した彼ら彼女たちの写真が語りかけてくるのは、自然とともに生きることのすばらしさでした。

担当編集者 より


ブラジルのアマゾンに、森で狩りをして生活する先住民「クリカチ族」がいます。日本人の多くと同じモンゴロイドで、顔つきが似ています。クリカチの人口は1945年頃には15,000人にいたとされています。しかし、あとからやってきたブラジル人のもちこんだ感染症と暴力によって、1990年頃にはたった600人にまで減っていました。その後、クリカチの人たちの努力によって、自分たちの森を取り戻し、村を増やし、子どもたちを大切に育て、現在では1300人にまで回復しています。写真家の長倉洋海さんは1993年からクリカチを記録しつづけてきました。クリカチを取り巻く社会が変わっても、自然とともに生きるクリカチの人たちのくらしは変わっていないと長倉さんは話します。
この作品では、20年以上前に撮影した子どもたちと、彼ら彼女たちがどんなふうに成長したかにスポットを当てて描いています。「ナガクラ」という名前を与えられ、村の伝統行事を撮るカメラマンになった少年。村の外に置き去りにされていたところをクリカチ族に保護され育てられた少女は、病気を乗り越え、今は家族と幸せにくらしています。踊りと音楽が好きで、素敵な笑顔の写真に写った少年は、言語のハンディキャップを乗り越え、現在は医学部の学生になりました。登場する子どもたちそれぞれの子ども時代と今を見ることで、時間がすぎても変わらない大切なことが浮かび上がってきます。読者ひとりひとりにとって、その受け方はいろいろだろうと思います。しかし、読んだ後に、あたたかなものが心に残ることは確かです。
登場する子どもたちの写真は『きみが微笑むとき』(2004年刊/福音館書店)にもおさめられています。『木から生まれたクリカチ』は、写真を撮ることを通して、子どもたちの成長を見守り、励ましてきた長倉洋海さんの作家として歩みから生まれた作品なのです。

作者情報


長倉洋海


1952年、北海道釧路市生まれ。写真家。同志社大学卒業後、通信社カメラマンを経て、フリーランスとして活動。1980年よりアフリカ、中東、中米、東南アジアなどの世界各地を訪れ、そこに生きる人々を長い時間をかけて撮影してきた。講談社出版文化賞、巌谷小波文芸賞などを受賞。著書は『きみが微笑む時』、『トナカイに生かされて』(「たくさんのふしぎ」通巻428号、以上福音館書店)ほか多数。

書誌情報


読んであげるなら:小学三年生から
自分で読むなら:―
定価:880円(税込)
ページ数:40ページ
サイズ:25×19cm
初版年月日:2026年06月01日
通巻:たくさんのふしぎ 496号