作者


かわしまはるこ

内容紹介


ちいさな虫が飛んできて、石垣にとまった。

あれ、石垣の隙間に何かいる。近づいて見てみると……。

カタツムリだ! 

向こうの隙間には何かいるかな? 少し怖いけど、やっぱり気になる。

のぞいてみると……? 

そこには小さな生き物たちが暮らす世界がありました。

丁寧に描き込まれたたくさんの生き物たちを、あなたもぜひ探してみてください。

編集担当者 より


土地の補強や、境界の表示を目的として築かれる石垣。

私たち人間にとって重要なものですが、さまざまな生き物にとってもまた、大事な場所なのです。

カタツムリが暑い日差しから逃れて隙間に潜り込んでいることもあれば、クモが巣を張って、住みか&採餌場所にしていることも。

隙間から生えた草をバッタが食んでいたり、虫の脱皮殻が落ちていたり……。

石垣の隙間は生き物たちの気配でいっぱいです!

3年前に『せみの こえ』(「ちいさなかがくのとも」2017年7月号)を精緻な絵で描き、絵本作家として注目されたかわしまはるこ氏。

今作では、石垣の周りにいる生き物のみならず、隙間に生きる植物にもしっかりと目を向けて制作してくださいました。

絵の随所にまるで本物のように描き込まれた生き物や植物を、ぜひ楽しみながら探してみてください。読み返すたびに新たな発見があるはずです。

本格的に人物を描くことは、かわしま氏にとって初めての挑戦でしたが、生き生きと描かれた主人公・ちいちゃんの表情からは、未知の世界と出会う不安や喜びといった心の揺れ動きまで伝わってくるようです。

この絵本を楽しんだあとは、普段は素通りしてしまう石垣の前で、一度立ち止まってみてください。

石垣の隙間には、深く豊かな世界が広がっていますよ。

作者情報


かわしまはるこ


さくしゃのしょうかいぶん

書誌情報


読んであげるなら:3才から
自分で読むなら:―
定価:440円(税込)
ページ数:24ページ
サイズ:20×23cm
初版年月日:2020年06月01日
通巻:ちいさなかがくのとも 219号