作者


高柳芳恵 文/城芽ハヤト

内容紹介


「あれ、木に何かくっついてるよ。何だろう? ……わっ、むし?ふとーいあし。めがひかってる!」

夏のある日、女の子が公園の木にくっついた茶色の“むし”をつかまえました。

“むし”は草の葉裏や、ベンチの下などでもみつかります。

「うれしいな。ひとりで むし つかまえちゃった」

女の子と「せみのぬけがら」との初めての出会いを描きます。

編集担当者 より


文章を書かれた高柳芳恵さんは、長年自然観察会でガイド役を務めながら、たくさんの子どもたちと触れ合ってきました。

高柳さんの「観察」によると、初めてセミの抜け殻を目にした子どもの多くは、抜け殻を「生きている虫」と信じて疑わないそうです。

「目がひかってる!」「すごいツメ!」「せなかにすじがあるよ」「ぜんぜんうごかない」「さわっても大丈夫?」

……子どもたちは次々にいろんな発見をしていきます。

そんな「セミの抜け殻」との出会いを瑞々しく描きます。

絵を担当された城芽ハヤトさんは、虫との距離が近い方ではありませんでした。

しかしその分、初めてセミの抜け殻に出会う子どものように新鮮な気持ちで向き合ってくださり、取材の際は、虫かごいっぱいの抜け殻を手に「ようやくちょっと慣れてきました」と笑っていらっしゃいました。

ともに出会い、ともに感じ、ともに驚く。

「ちいさなかがくのとも」らしい一冊が完成しました。

作者情報


高柳芳恵(たかやなぎよしえ)


栃木県生まれ。著作に『葉の裏で冬を生きぬくチョウ ウラギンシジミ一〇年の観察』〈第四七回産経児童出版文化賞受賞〉、『どんぐりの穴のひみつ』(ともに偕成社)など。「ちいさなかがくのとも」は『おちば シャック シャック』『はっぱの あな』『ゆうぐれの さんぽ』に続いて四作目。

城芽ハヤト(じょうめはやと)


秋田県生まれ。武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。TIS会員。第四二回講談社出版文化賞さしえ賞受賞。絵本に『つくもがみ』(岩崎書店)など。「ちいさなかがくのとも」は『うめのみとり』『かたゆき』『あかい み みつけた』『しーっ あれは なんの おと?』『やまの ゆき みてたらね』に続いて六作目。

書誌情報


読んであげるなら:3才から
自分で読むなら:―
定価:440円(税込)
ページ数:24ページ
サイズ:23×20cm
初版年月日:2020年08月01日
通巻:ちいさなかがくのとも 221号