作者


川井唯史 文/成広のり子

内容紹介


こんぶは滋養豊かな北の海で育ちます。

北海道の川から流れ込む栄養と、ロシアから流れ着く流氷の栄養が生長の源です。

冬の北の海は、荒れて水がかき乱されることで栄養分がこんぶの周囲に行き渡ります。

その海の栄養を取り込み大きく育った旨味たっぷりのこんぶは、古くから様々な料理の出汁として使われてきました。

こんぶの生態を誕生から丁寧に描きます。

担当編集者 より


こんぶの食用の歴史は古く、1000年以上の昔から料理に重用されていて、江戸時代には北前船で北海道から京都大阪に定期的に運ばれていました。

文章を担当した川井唯史さんは北海道の水産試験場の研究者で、礼文島はその研究フィールドです。

川井さんの案内で京都在住の作画担当の成広のり子さんと礼文島でこんぶ取材をしました。

漁協や漁師の方に話をうかがう際に、成広さんが京都から来たと知ると、誰もが相好を崩し、古くから京都とはつきあいがあり、料亭では高級食材として使われていることなどを誇らしげに語ってくれました。

そこで行く先々でまずは京都から来たことを伝え、話のきっかけ作りをして様々な話をうかがうようにしました。おかげで有意義な取材旅となりました。

作者情報


川井唯史(かわいただし)


1964年生まれ。北海道の「昆布森」海岸で、子どものころは昆布干しの手伝いをして育った。水産系の大学で博士号を取得し、北海道の公立水産研究機関で研究者となり、昆布の研究に没頭して現在に至る。

成広のり子(なりひろのりこ)


京都市在住。成安女子短期大学染織科卒。昆虫の美しさに心を奪われ、大海原にすむ魚類・貝類・まだ見ぬほ乳類にあこがれを持ち、未知なる爬虫類に夢中。『つよいぞがっちゃん』(PHP研究所出版)等。

書誌情報


読んであげるなら:5・6才から
自分で読むなら:―
定価:440円(税込)
ページ数:28ページ
サイズ:25×23cm
初版年月日:2021年11月01日
通巻:かがくのとも632 号