作者


伊藤知紗

内容紹介


地面を歩いているとき、草をのぼっているとき、木から落っこちたとき・・・・・・運悪く転んでしまったら、虫たちはどうする? 

虫たちにとって、お腹を見せるのは命取り。

何とか起き上がろうと、あの手この手で頑張ります。

体を左右に揺らしたり、羽ばたいたり、ぐるんと後ろ回りをしたり。

虫たちはぶじに起き上がれるでしょうか。

編集担当者 より


虫たちにも、日々の暮らしのなかで運悪く転んでしまうことがあります。

しかし、お腹を見せたままの姿勢でいることは、虫たちにとって命取り。何とか起き上がろうと、身体中を使って頑張ります。

虫の身体の形状は様々ですが、起き上がり方も本当に色々です。


手がけてくださったのは、どこか愛嬌のある虫たちの姿を絵本にしてこられた伊藤知紗さんです。

こよなく虫を愛し、毎日のように埼玉県飯能の森を歩いて、虫の暮らしを観察している伊藤さん。

今回の絵本でも、起き上がろうと頑張る虫たちをおかしみのある絵で描き、そばで応援するように優しく言葉を添えてくださいました。

絵本の画面いっぱいに広がる虫たちの世界をのぞいていると、まるで自分も虫になったような気持ちがしてきます。

自然の中には土がデコボコしていたり、落ち葉や枯れ枝が転がっていたり、虫の脚がかりになりそうな凹凸が豊かにあります。

一方で、つるつるしたものが多い人工物のうえでは、虫は起き上がることができません。

もし、人が作った環境のために起き上がれずにいる虫を見かけたら、そっと手を差し伸べてもらえたらと思います。

作者情報


伊藤知紗(いとうちさ)


1971年東京生まれ。専門学校でデザインを学んだ後、書店で働きながら絵本を独学で勉強した。絵本に『トックリバチのとくこさん』(こどものとも年中向き2009年7月号)『キリギリスくんとよるのおんがくたい』(こどものとも2014年10月号)『うんちみたいな むしがいた』(かがくのとも2016年6月号/以上、福音館書店)、『ありみちゃんのおでかけ』(林木林・作/鈴木出版)、紙芝居『おはようおひさま』(LaZOO・作/教育画劇)がある。ブログ「てくてく日記」で、虫を中心とした自然観察日記を発信中。埼玉県在住。

書誌情報


読んであげるなら:3才から
自分で読むなら:―
定価:440円(税込)
ページ数:24ページ
サイズ:2×2cm
初版年月日:2022年08月01日
通巻:ちいさなかがくのとも 245号