作者


大川久乃 文/川崎由紀

内容紹介


主人公のはーちゃんは、大好きなクマのぬいぐるみの「たんくん」を、小さなお風呂に入れてあげました。

お湯に浸かると「ぷくぷく」とおならのような気泡を出し、持ち上げると「べっちょり」と重いたんくん。

石けんでこすれば「ぶくぶく」の泡に包まれ、タオルで拭くと「ぼさぼさ」に。

さらに、おひさまのもとに干してあげると……? 

洗うことが楽しくなる絵本です。

編集担当者 より


 

 子どもたちはぬいぐるみが大好きですね。でも子どもの「良き遊び相手」ほど、汗やホコリ、ちょっとしたアクシデントで汚れてしまうもの。
 この絵本では、そんなぬいぐるみを「おふろ」に入れてあげます。お湯に浸かったとたん「ぷくぷく」とおならのような気泡を出し、持ち上げると「べっちょり」と重いぬいぐるみ。石けんでこすれば「ぶくぶく」の泡に包まれ、タオルで拭くと「ぼさぼさ」になる。普段と違うその姿に主人公はびっくりするやらハラハラするやら。そんな主人公の心の揺れ動きには、じつは科学の種がたくさん詰まっています。
 作者の大川久乃さん、川崎由紀さんとは、ぬいぐるみを一緒に洗いながら(ときに大胆に汚しながら!)、その変化を確かめていきました。大川さんが紡ぐリズミカルな文章からは、そのときの驚きや興奮が伝わってくるようです。川崎さんは、ぬいぐるみの毛や泡の質感を温かな絵で表現してくださっています。お二人の力が合わさり、物語と科学がひとつになった絵本が生まれました。
 大切なぬいぐるみに感謝を込めて、今度の休みは親子で一緒に洗ってあげませんか? 生活にひそむ科学に、目を向けるきっかけになるはずです。

作者情報


大川久乃(おおかわひさの)


岩手県生まれ。岩手大学農学部で応用昆虫学を専攻、修士課程修了。著書に『虫のつぶやき聞こえたよ』(白水社)、絵本に『だんごむしの おうち』『どんぐりころころむし』『いもむしってね…』『わたしのこねこ』(以上、福音館書店)など。「ちいさなかがくのとも」で手がけた絵本に、『とんぼ とんぼ あかとんぼ』『あまがえる、のはらへ』『ようこそ ぼくの てのひらへ』『たんぼに あおぞら みーつけた!』『つっぴーちゅるる』『ふきの はのうえに』がある。岩手県在住。

川崎由紀(かわさきゆき)


北海道生まれ。イラストレーター。色鉛筆やクレヨンを使った温かみのある手描きの絵で、暮らしのなかの人や物、木の実や草花、緑の風景を描くことを得意としている。山田博之イラストレーション講座修了、TIS会員。絵本は『おかゆ』(メディア・パル)に続き、今回の作品が二作目。東京都在住。二児の母。

書誌情報


読んであげるなら:3才から
自分で読むなら:―
定価:440円(税込)
ページ数:24ページ
サイズ:23×20cm
初版年月日:2023年3月01日
通巻:ちいさなかがくのとも 252号