作者


稲垣あきら 作

内容紹介


よく晴れた春の日に、河川敷の小道を散歩する主人公とお母さん。

ふと足もとをみると、アリが道を渡っていきます。

「おさきにどうぞ」。

主人公はアリを見送ります。

さらに歩くと、草むらからモンシロチョウやバッタが飛び出しました。

「どうぞ どうぞ おさきにどうぞ」。

くさはらこみちを進みながら、虫たちの命の営みを優しく見守ります。

編集担当者 より


うららかな春の日、おさんぽに出かけると、さまざまな虫たちとの出会いが待っています。

子どもたちはおさんぽが大好きです。ただでさえ楽しいおさんぽに「虫たち」の存在が関わってくることで、子どもたちの世界が更にひろがっていったら……。

作者の稲垣あきらさんは、この企画のきっかけとして「息子たちが小さい頃、エレベーターを降りる時に【開】ボタンを押して『おさきにどうぞ!』と、他の人に降りる順番を譲るのが好きだったので、このお話を思いつきました」と言います。

子どもたちが、自分たちよりさらに「ちいさいもの」に道を譲ってあげたり、先に行かせてあげたりするちょっと誇らしげな感覚は、きっと共感をもって迎えられるはずです。

絵本を読んだ後はぜひ外に出て、虫たちに「おさきにどうぞ」と声をかけてあげてみてください。きっと新しい出会いや発見があるはずですよ!

作者情報


稲垣あきら(いながきあきら)


1977年、千葉県に生まれる。京都精華大学美術学部卒業後、京都の和文具店「嵩山堂はし本」にて便箋や絵ハガキなどのデザインを担当。現在は、散歩道や商店街など身近な生活をテーマにした作品づくりを続けている。本作が初めての絵本。多摩川周辺で日々スケッチ中。

書誌情報


読んであげるなら:3才から
自分で読むなら:―
定価:440円(税込)
ページ数:24ページ
サイズ:2×2cm
初版年月日:2023年04月01日
通巻:ちいさなかがくのとも 253号