作者
水口博也 文・写真
内容紹介
シャチは、冷たい海から温かい海まで、ほぼ世界の全域でくらす哺乳類、歯クジラのなかまです。
家族で仲良くくらし、自分たちがいる海の環境に合わせて食物の取り方を工夫し、伝統として受けついでいます。
私たち人間が、国や地域ごとに文化や伝統を持つのと同じように、シャチたちも文化や伝統を持って生きているのです。
担当編集者 より
群をなして大きなクジラを襲うこともあり、「海のギャング」と怖れられてきたシャチ。
担当編集者(50歳代)も、小学生のときにテレビで観た映画「オルカ」の影響から、怖い生物だと思ってきました。
しかし8年ほど前、水口博也さんの話を聞いて、そのイメージが覆されました。
家族の絆が強く、特に幼い赤ちゃんシャチを母親以外の大人のシャチも守ってくらしていること。
エサの上手な捕り方や、皮膚をこするのにいい浜辺の場所など、知識を大人のシャチが子どものシャチに伝え、それが伝統として根付いていること。
そうした話から、いつか「海中の文化人類学(いや文化鯨類学か?)」の本を作っていただきたいと願い、形になったのがこの本です。日本近海のシャチも紹介します。
作者情報
水口博也(みなくちひろや)
1953年、大阪生まれ。大学で海洋生物学を学んだあと、出版社に勤務して自然科学の本を編集。1984年から写真家として独立、世界の海で撮影や取材を行い、多くの著書や写真集を発表。クジラやイルカなど海にすむ哺乳類についての著作が多いが、近年は地球環境の変化を追い、北極、南極から熱帯雨林まで広く地球上の自然や動物について取材を行う。「たくさんのふしぎ」に、『コククジラの旅』『南極の生きものたち』『クジラの家族』がある。
書誌情報
読んであげるなら | :― |
自分で読むなら | :小学中学年から |
定価 | :770円(税込) |
ページ数 | :40ページ |
サイズ | :25×20cm |
初版年月日 | :2021年12月01日 |
通巻 | :たくさんのふしぎ 441号 |