作者 


菊谷 詩子 文・絵

内容紹介


最近、クマ出没についてのニュースが増えていますね。では、クマはどんな動物なのか知っていますか? 長野県軽井沢町にはツキノワグマを保護管理しているクマチームがいます。クマチームに聞くと、ツキノワグマは一頭一頭に個性があるといいます。いったいどういうことでしょう? クマチームに同行し、森にすむクマたちの日々のくらしを取材しました。

担当編集者 より


 最近、全国各地でクマ出没のニュースをよく見るようになりました。では、クマはどんな動物で、どんなくらしをしているかは知っていますか? この本の取材を進めるなかで、担当者もツキノワグマの生態についてほとんど知らなかったことに気づかされました。ツキノワグマはどんな動物なのかを知り、ニュースで見るクマたちのことを考えるきっかけになればとの思いからこの本を作りました。

 舞台は、長野県軽井沢町です。この町にはクマによる事故を防ぐために、クマを保護管理している「クマチーム」がいます。クマチームのみなさんに、ツキノワグマについて聞くと、1頭1頭行動や性格が違い、個性があるといいます。それはいったいどういうことなのでしょう? 軽井沢にすむサイエンス・イラストレーターの菊谷詩子さんが、特別な許可をもらい、クマチームに同行し4年間にわたり取材をしました。

 菊谷さんが特に注目したのは、コノカという名前がついているメスのクマ。彼女がどんな冬眠穴で過ごしているのか? どんなふうに子育てをしているのか? 森のなかでどんなふうに過ごしているのか? なんども観察を続けました。そして、見えてきたのは、私たち人とも共通するところがある、賢く、懸命に生きようとするコノカ親子の姿でした。
 
 また、ツキノワグマの体のつくりがどうなっているのか? どうやって冬眠する? どんなものを食べるの? 秋になるとクマが人里に降りるのはなぜ? などツキノワグマについての基本的なことも本作ではしっかり描いています。
 恐ろしいけれど、美しく、力強く、魅力的なツキノワグマたちのことを知って頂ければうれしいです。

作者情報


菊谷詩子(きくたにうたこ)


幼少期をケニアとタンザニアで過ごしたことをきっかけに、動物学者を目指して東京大学の博士課程に進むも絵の道を目指して中退。カリフォルニア大学でサイエンスイラストレーションを学ぶ。科学雑誌、図鑑、教科書、博物館の展示などのイラストを制作している。2002年ボローニャ国際絵本原画展(ノンフィクション部門)入選。絵本では『いぬのさんぽ』(「かがくのとも」通巻492号)、『食べられて生きる草の話』(「たくさんのふしぎ」通巻367号)、『9つの森とシファカたち』(同415号、以上福音館書店)がある。



書誌情報


読んであげるなら:小学三年生から
自分で読むなら:―
定価:810円(税込)
ページ数:40ページ
サイズ:25×19cm
初版年月日:2024年11月01日
通巻:かがくのとも 476号