作者


白井仁 文/熊谷博人 絵/島田耕希 写真

内容紹介


「理想の布をつくりたい」―白井仁さんは布を作るためのすべての作業を自分で行う、日本では数少ない布の染織家です。

素材のワタを畑で育てるところからはじまり、手作業での糸つむぎ、家のまわりの草木を使った糸染め、機織り・・・・・・完成にはなんと1年もかかります。

手作業から生まれる美しい布ができるまでを紹介します。

担当編集者 より


「理想の布を作りたい」―ワタの栽培、糸紡ぎ、糸染め、機織り・・・・・・この世界に1枚だけの美しい木綿の布ができるまでを丁寧に描いた作品です。作者の白井仁さんは、これらすべての工程をひとりで行う日本でも数少ない布の染織家です。ワタの種まきからはじまる白井さんの布づくりは、完成までに1年という長い時間がかかります。ほかの人にはなかなかできないような手間をかけて、自分の体と手を動かすことで感じられる布づくりの楽しさやよろこびが作品全体をとおしてつづられています。
私たちは工場で作られた綿の洋服を普段なにげなく着ています。布がどのようにできるか意識することもありません。ファストファッションが流行し、身のまわりには早く効率的に製造された服があふれています。白井さんの布づくりは、その対極です。ひとつひとつ工程で手を抜くことなく、布づくりにかける白井さんの真摯な思いを、子どもたちにも感じとってもらいたいという思いから本作を企画しました。

作者情報


白井仁(しらいじん)


1978年神奈川県横浜市生まれ。桑沢デザイン研究所研究科テキスタイル専攻卒業。染織家。2000年より沖縄へ移住。沖縄県工芸指導所にて絣技術を学ぶ。沖縄本島に10年間住み、現在は千葉県流山市在住。2009年よりワタの栽培を始め、現在も種からはじめる布づくりを続けている。

熊谷博人(くまがいひろと)


1941年東京都生まれ。長野県で育つ。多摩美術大学油絵科卒業。ブックデザイナーとして、画集、写真集、文芸書などの装丁、レイアウトを行う。著書は『江戸文様こよみ』(朝日新聞出版)、『和更紗江戸デザイン帳』(クレオ)など多数。絵本に『うれしたのし江戸文様』(たくさんのふしぎ通巻430号)などがある。国立国際子ども図書館のロゴマークもデザインした。

島田耕希(しまだこうき)


1986年埼玉県生まれ。東京藝術大学デザイン科卒業。デザイナー。クリエイティブユニット SHIMA ART&DESIGN STUDIO を小島沙織と協業。フライヤーや書籍などグラフィックデザインを行うほか、紙の手工品を発表するプロジェクト Rivotorto Pieces、手織布によるテキスタイルブランド WARP WOOF を運営。デザインと手工芸のあわいを活動する。

書誌情報


読んであげるなら:―
自分で読むなら:小学中学年から
定価:770円(税込)
ページ数:40ページ
サイズ:25×20cm
初版年月日:2023年05月01日
通巻:たくさんのふしぎ 458号