作者


くらささら 文/くりはらたかし 絵

内容紹介


オオカミの兄弟、ジッタとゼンスケは、大仏さまをおがむために、はるばる都にやってきました。

その道中で、ふたりは氷をキツネのお殿様に届ける仕事を任されることに。

しかし、行く先々には数々の困難がふたりを待ち構えていました。

果たしてふたりは、氷が溶けないうちにお城にたどりつけるのでしょうか?

新感覚時代劇絵本。

担当編集者 より


ジッタとゼンスケの珍道中、いかがでしたか? 時代劇のようなこの舞台設定、いまの子どもたちには、とても新鮮に映ったのではないでしょうか。

この絵本には、江戸の文学や絵画、演劇のエッセンスが、ぎゅっと詰まっています。とくに着想につながったのは、十返舎一九の『東海道中膝栗毛』。弥次さんと喜多さんが繰り広げるドタバタ旅行劇が、ジッタとゼンスケのお話のヒントになったのだとか。

絵を手がけたくりはらたかしさんは、数々の浮世絵を研究し、そのタッチや構図を取り入れながら、古くて新しい、魅力的な世界を描き上げてくれました。江戸を思わせる街並みに暮らしているのは、人間ではなく、サルやキツネ、タヌキといった動物たち。なかには、カッパや龍といった、ちょっと変わった住人も。どうぞ隅々までお楽しみください。

作者情報


くらささら


1968年、神奈川県生まれ。青山学院大学文学部英米文学科卒業。2018年『神様の住所』(朝日出版社)にてBunkamuraドゥマゴ文学賞受賞。他の著書に『きえもの』(新潮社)、『ゆめのほとり鳥』(書肆侃侃房)。絵本に『ひみつのえんそく きんいろのさばく』(「こどものとも」2022年8月号)『ひゃくえんだま どこへゆく?』(「こどものとも年中向き」2023年2月号/ともに福音館書店)がある。

くりはらたかし


1977年、東京都生まれ。マンガ、絵本、イラストレーションなどを制作。主な作品に『冬のUFO・夏の怪獣【新版】』(ナナロク社)、『ゲナポッポ』(白泉社)、『プンスカジャム』(くどうれいん・作)『日曜日のはじめちゃん』『名前のチカラ』(「たくさんのふしぎ」2022年12月号)『きょうのコロンペク』(以上、福音館書店)などがある。

書誌情報


読んであげるなら:5・6才から
自分で読むなら:―
定価:440円(税込)
ページ数:32ページ
サイズ:26×19cm
初版年月日:2023年07月01日
通巻:こどものとも 808号