作者


高科正信 文/コマツシンヤ 絵

内容紹介


誕生日に欲しいものはいっぱいある。
でもお父さんとお母さんは、プレゼントは一つだけだって言う。

それなら、決めた。
ぼくが誕生日にもらうものは、デパート! 

これなら一つのなかに、欲しいものが何でも入ってる。
おもちゃ売り場のおもちゃも、本屋さんに並ぶたくさんの本も、みんな全部ぼくのもの。

子どもの願望を丸ごとかなえてくれる、喜びに溢れた作品です。

担当編集者 より


子どものころ、「ヘンゼルとグレーテル」に登場するお菓子の家に憧れた人は多いのではないでしょうか。その姿かたちを想像するだけでも胸が踊りますが、お菓子で出来た屋根や窓を手当たり次第にほおばるシーンには、ふだんは決してできないことをする痛快さと甘美さがあります。

さて、この『プレゼントはひとつ』の主人公は空想の力によって、お菓子に限らず、欲しいものを全て手に入れます。しかも、いつもは多くの大人で溢れるデパートを、子どもだけの楽園に変えてしまいます。高科正信さんの文章による、そんな夢のような世界を、コマツシンヤさんが隅々まで細密に、カラフルに描きました。

特に本屋さんの場面は、ずらりと並ぶ本の一冊一冊に、コマツさんが架空のタイトルと装丁を描き込んでいて、本好きにはたまらないシーンになっています。

欲しいものが全部つまった最高の誕生日プレゼントを、心ゆくまでお楽しみください。

作者情報


高科正信(たかしなまさのぶ)


1953年、愛媛県生まれ。大阪教育大学卒業。11年間の小学校教師生活ののち、児童文学の研究執筆生活に入る。童話作品に『たぬきがくるよ』(BL出版)『ぼっちたちの夏』(佼成出版社)『ふたご前線』(フレーベル館)など、絵本に『はしを わたって しらない まちへ』(「こどものとも」2017年10月号)などがある。兵庫県在住。

コマツシンヤ


1982年、高知県生まれ。マンガ作品に『睡沌氣候』(青林工藝舎)『8月のソーダ水』(太田出版)『午后のあくび』(亜紀書房)など、児童書の仕事に『ゆかしたの ワニ』『デタラメ研究所』『カタツムリ 小笠原へ』(以上、福音館書店)『ミライノイチニチ』(あかね書房)などがある。高知県在住。

書誌情報


読んであげるなら:4才から
自分で読むなら:―
定価:440円(税込)
ページ数:28ページ
サイズ:26×19cm
初版年月日:2023年12月01日
通巻:こどものとも年中向き 453号