作者


犬塚則久 文/廣野研一

内容紹介


だれも生きている恐竜を見たことはないのに、映画の中では恐竜たちが大活躍。

なぜその姿がわかるのでしょう? 

それは化石を基に「復元」しているからです。

土の中から出てくる骨や歯の化石を、今生きている動物の体のしくみを調べながら、少しずつ組み立て、生きているときの姿を形づくっていく。

そんな恐竜の復元の様子を描きます。

担当編集者 より


今50代の担当者が子どものころ、ティラノサウルスなどの肉食恐竜は、ゴジラのように直立した姿で描かれていました。昨今の映画などで描かれるのはかなり前屈みになった姿で、ずいぶんと変わりました。
そもそも「恐竜」という概念が生まれたのは、せいぜい約200年ほど前のこと。それまでも土の中から大きな骨や歯の化石は出ていたのですが、当時の人々にとって、それらは正体がわからないものだったのです。恐竜以外でも、例えばかつて日本にもいたゾウの頭は「竜の頭」だと、メガロドンなど大型のサメの歯は、「天狗の爪」だと想像されていました。
この本では、古生物学者の犬塚さんが、恐竜の足の付き方の法則や、目の位置で肉食か草食かを決めていくなど、「復元」の基本的な方法を解き明かしていきます。克明な生物画を描く廣野さんによる、美しい恐竜の骨格図も必見です。

作者情報


犬塚則久(いぬづかのりひさ)


古生物学者。理学部で動物化石を学び、医学部で解剖学を教える。化石の骨格復元で理学博士。古脊椎動物研究所の代表。骨の化石の形を今の動物と比べたり、働きを考えたりしながら、生きていた時の姿を復元しようとしている。著書に『しっぽがない!』(「たくさんのふしぎ傑作集 福音館書店)、『恐竜の骨をよむ』『退化の進化学』(講談社)、『恐竜復元』(岩波書店)など。

廣野研一(ひろのけんいち)


1982年、埼玉県に生まれる。北里大学水産学部水産生物科学科卒業後、東京デザイン専門学校イラストレーション科卒業。現在は、フリーのイラストレーターとして、主に生物関係のイラストを描いている。絵を担当した作品に、『ぞうきばやしのすもうたいかい』『スズムシくん』(福音館書店)などがある。たくさんのふしぎは『たくさんのふしぎ版 南極のさかな大図鑑』『カブトムシの音がきこえる』(以上たくさんのふしぎ傑作集)につづき3作目。千葉県在住。

書誌情報


読んであげるなら:―
自分で読むなら:小学中学年から
定価:770円(税込)
ページ数:40ページ
サイズ:25×20cm
初版年月日:2023年12月01日
通巻:たくさんのふしぎ 465号