作者


澤口たまみ 文/斉藤俊行

内容紹介


寒い冬の朝。

あれ、窓の外が白いよ。

外に出てみると、草むらは一面、まるでお砂糖の粉をかぶったように真っ白。

その正体は小さな小さなしものつぶ。

しゃがんでみると、まるで氷の世界に迷い込んだようです。

おひさまがのぼって暖かくなると、しもは少しずつ溶けて水の玉に変わり、きらきらと虹色に輝き始めます。

子どもたちの心に残る、冬の美しい出会いを届けます。

編集担当者 より


 寒い朝、外に出ると、しもが降りてあたりが白っぽくなっていることがあります。しもの粒に覆われた葉っぱは、まるで誰かがこしらえた砂糖菓子のようです。太陽の光が届いてあたりが暖かくなると、しもの粒は次々と水の玉に変わり、一面の水の玉が虹色に輝く幻想的な光景が広がります。
 美しく不思議な“しも”と幼い子が出会うひとときを、澤口たまみさんが静かで優しいお話にしてくださいました。絵を描いてくださったのは、これまで『こおり』(たくさんのふしぎ傑作集)『ゆきふり』(「かがくのとも」2017年1月号)などの作品でさまざまな水の姿を捉えてこられた斉藤俊行さんです。ご自宅近くで毎年しもを目にするものの、じっくり見るのは初めてだったという斉藤さん。足元の美しい世界に驚きながら、地面にかじりつくようにしてしもの取材をしてくださいました(朝の7時ごろから、気づけば2時間以上も!)。子どもたちの心に残る、冬の美しい出会いをお届けします。

作者情報


澤口たまみ(さわぐちたまみ)


岩手県生まれ。岩手大学農学部で応用昆虫学を専攻、修士課程修了。盛岡大学短期大学部幼児教育科准教授。著書に『自然をこんなふうに見てごらん 宮澤賢治のことば』(山と渓谷社)、『虫のつぶやき聞こえたよ』(白水社)、絵本に『だんごむしの おうち』『どんぐりころころむし』『わたしのあかちゃん』『わたしのこねこ』『はるのにわで』『いろんな いきもの かぞくのカタチ』(以上、福音館書店)など。「ちいさなかがくのとも」に、『とんぼ とんぼ あかとんぼ』『あまがえる、のはらへ』『ようこそ ぼくの てのひらへ』『たんぼに あおぞら みーつけた!』『つっぴーちゅるる』『ふきの はのうえに』『みちては ひいて』がある。岩手県在住。

斉藤俊行(さいとうとしゆき)


福島県に生まれる。武蔵野美術大学卒業。イラストレーター、デザイナーとして活躍中。絵本に『ゆきふり』(「かがくのとも」)『クリスマスの ふしぎな はこ』『おじょらぽん』『かぜ フーホッホ』『こおり』『かしこい単細胞 粘菌』(以上、福音館書店)などがある。「ちいさなかがくのとも」に『おでこに ピツッ』『かんらんしゃに のったよ』がある。千葉県在住。

書誌情報


読んであげるなら:3才から
自分で読むなら:―
定価:440円(税込)
ページ数:24ページ
サイズ:2×2cm
初版年月日:2024年1月01日
通巻:ちいさなかがくのとも 262号