作者


大原悦子 文/猫野ぺすか

内容紹介


はんぶんライオンは、たてがみが半分しかない、ライオンのぬいぐるみ。

周りのぬいぐるみたちからは「君は本当にライオン?」「ぜんぜん強そうに見えないけど」なんて言われますが、気にすることなく堂々としています。

ある夜、彼らの住む家に泥棒がしのびこんできて……。

危機に立ち向かうライオンの、誇りと勇気を持った姿が胸を打つ物語。

担当編集者 より


 作者の大原悦子さんは、イタリアのローマで暮らしていた時期があります。当時のエピソードを『ローマの平日 イタリアの休日』という著書に綴っているほか、絵本デビュー作『カタッポ』には、実はイタリア生まれという設定の手袋が登場します。心なしかこのお話も、イタリアが生んだ名作「ピノッキオの冒険」を彷彿させるところがあります。はんぶんライオンとおじいさんの、深い愛情で結ばれた関係は、まるでピノッキオとジェッペットじいさんのようではありませんか?
 そんな古典童話のような佇まいを持った物語を、猫野ぺすかさんがリアリティたっぷりに描いています。輪郭線に使われているのは、板の表面を焦がすウッドバーニングという手法です。温かさと力強さを併せ持った描線は、優しく勇敢なはんぶんライオンにぴったり。ぜひ、じっくりとご覧ください。

作者情報


大原悦子(おおはらえつこ)


新聞記者として17年働いた後、フリーランスに。2008年から大学教員。著書に『ローマの平日 イタリアの休日』(コモンズ)『フードバンクという挑戦―貧困と飽食のあいだで』(岩波現代文庫)、絵本に『カタッポ』(「こどものとも」2014年1月号)『ケロリンピック』『チリンでんしゃ』(以上、福音館書店)がある。

猫野ぺすか(ねこのぺすか)


2004年から独学で版画制作を開始。絵本作品に『こひつじ とことこ』(「こどものとも」2010年3月号)『いっしょ いっしょ』(「こどものとも0.1.2.」2017年5月号)『おおかみとしちひきのこやぎ』(フレーベル館)など。近年はウッドバーニングで絵本を制作している。

書誌情報


読んであげるなら:5・6才から
自分で読むなら:―
定価:440円(税込)
ページ数:32ページ
サイズ:26×19cm
初版年月日:2024年03月01日
通巻:こどものとも 816号