2026年に創刊70周年を迎える月刊絵本「こどものとも」では、日本のみならず世界各地のさまざまな昔話を絵本でお届けしてきました。
今回、そのなかから15冊を復刊してお届けします。
世界各地の豊かな文化に触れつつ、個性的でおもしろい昔話の世界をお楽しみください。
4月1日の刊行に合わせて、15作品それぞれの魅力を毎日更新でお伝えいたします。
こどものともひろば 運営係

『かものむすめ』
オリガ・ヤクトーヴィチ 再話・絵/松谷さやか 訳
「世界昔ばなしの旅」三つ目の作品は、ウクライナの昔話「かものむすめ」。
農業や鉱業で古くから栄えたウクライナには、たくさんの昔話が伝えられてきました。
それぞれの土地に根差した昔話ですが、日本と世界各地のものに以外なほど多く共通する部分もあるのです。
おはなしの舞台
ふたりで暮らすおじいさんとおばあさんは、いつもこどもがほしいと思っていました。
ある日、森へキノコ狩りに出かけると、しげみのかげにかもがいるのを見つけます。
かもは足に怪我をしていたので、ふたりは抱いて帰り、家に入れてあげました。
ふたたびキノコ狩りに出かけて帰ってくると、不思議なことに家の中がきれいに片付けられています。
次の日、家の中はもっときれいになっているのでした。
不思議に思ったふたりは、近所の人に尋ねます。
すると、足をひきずったきれいな娘が家へ入っていくのを見かけたと言うのです。

そして小屋のかげから娘を待ち伏せるのですが……。
オリガ・ヤクトーヴィチ
ロシアのウラル地方のニージニー・タギール市で生まれ、子ども時代を過ごした。モスクワ印刷技術大学を卒業してから、ウクライナ共和国のキエフ(現キーウ)に移住した。キエフでは、ソ連芸術アカデミーの大学院課程を修了。絵本や挿絵の作品が多く、旧ソ連諸国や外国の展覧会に常に出品。ご主人と息子さんも画家であった。
松谷さやか(まつやさやか)
1937年、東京都生まれ。早稲田大学大学院露文科修士課程修了。児童図書の編集を経て、ロシアの児童文学の翻訳を始める。訳書に『こねずみとえんぴつ』『野ばと村の長ぐつぼうや』『北の森の十二か月(下巻)』『森からのてがみ(全3巻)』『なぞなぞ100このほん』『ちいさなりょうし タギカーク』(以上、福音館書店)、『父へのひとり旅』(理論社)、『かえるの王女』(ほるぷ出版)、『笛ふきイワーヌシカ』(偕成社)、創作に『はりねずみ かあさん』(福音館書店)などがある。東京都在住。
書誌情報(セット)
読んであげるなら | :4歳から |
自分で読むなら | :小学低学年から |
定価 | :15冊セット定価16,500円(本体15,000円) |
ページ数 | :各32ページ |
表紙サイズ | :各20×27cm |
初版年月日 | :2024年4月1日 |
シリーズ | :― |