いつも絵本を子どもたちに届けてくださり、ありがとうございます。
今回は、青森県八戸市にある「上田面木こども園」さんより、絵本から生まれた園内活動の事例を共有いただきました。
今回の絵本 ― 『オバケ! ホント?』
岡田善敬 作
何の変哲もない物が、白い布をかけて目を付けるとオバケに変わって、見慣れた園の風景が一変します。園のあちこちに現れる、いろいろな姿かたちのオバケたち。
園オリジナルの『オバケ! ホント?』
今回は5歳児クラスの活動事例です。
子どもたち主導で、オリジナルの『オバケ! ホント?』を制作してくれました!
~0才児のころ~
子どもたちが0才児のころから、絵本活動として福音館書店の月刊絵本「こどものとも0.1.2.」を取り入れていました。
絵本活動では、子どもと保育者が1対1でアイコンタクトを取りながら絵本を読み聞かせることで、「心を通わせ話す・聞くにつなげる」ことを目的にしていました。
~2才児のころ~
子どもたちが2才児となり、クラス全体に向けての読み聞かせにあたって、選んだ絵本が『オバケ! ホント?』。
何度か読んだ頃、歌にのせて読んでみました。絵本にはないことば「キャー」の悲鳴も歌にのせてみました。オバケ登場時には子どもたちも一緒に「キャー」といって絵本を楽しむようになり、なんども読み聞かせをリクエストするほど子どもたちが大好きな1冊になりました。
~大好きな絵本との再会~
そんな子どもたちが5歳児になり、『オバケ! ホント?』に再会。
久しぶりに読み聞かせをすると、当時のように盛り上がるかと思えば、そうではない子どもたち。懐かしくて嬉しそうな表情で静かに絵本の世界に入りこみます。そして、何か閃いた表情も!
~園内活動への発展~
5歳に成長した子どもたちは、また違った視点で絵本を見ていました。
「なんか、カミタモ※園名バージョンができそうだね!」
そこからオリジナルの『オバケ! ホント?』制作が始まりました。
ピアノもあるし、時計もあるから全部できちゃう!
と盛りあがる子どもたち。
「絵本とおなじだと面白くないよ!」という意見も。
「どんな目にする?」
「何個もつけようよ!」
自分のアイデア、友達のアイデア、それぞれの想いが、時には衝突することも。
でも思いは一緒。
対話の大切さを日々学んでいるようでした。
撮影を何より楽しみにしている子どもたち。
どのアングルで撮ろうか、あれこれ試行錯誤。
そして、子どもたちのこだわりが詰まった、カミタモバージョンの『オバケ! ホント?』が完成しました。
2才児のころ、繰り返し楽しんでいたお気に入りの1冊から、新たな活動へと発展しました。
自分たちでオリジナルバージョンを考えてやってみたことで、特別な想いも加わり、子どもたちにとって忘れられない体験になったことを嬉しく思います。
運営係より
こどものともひろばでは、
より多くの子どもたちが絵本を通して素敵な体験ができるように、これからも「絵本から生まれた園内活動」を紹介させていただきたいと考えております。
もし、ご紹介いただける事例がございましたら、全国の「こどものとも社」へお声がけいただけますと幸いです。
※ご共有いただいたすべての事例をご紹介できるわけではありません。申し訳ありませんがその点についてはあらかじめご了承ください。