作者
藤本順平 文 倉部今日子 絵
内容紹介
身のまわりにある物は、すべて、「原子」とよばれる粒でできています。家も、空気も、体も、原子からできています。その原子の中に、実はさらに小さな粒があることはご存知でしょうか。「素粒子」とよばれる、これ以上分割することができない、この世界でいちばん小さな粒です。本書では、そんな素粒子の正体を、やさしくときあかします。
担当編集者 より
家も、体も、空気も。世の中にあるすべてのものは、「原子」でできていることはご存知でしょう。それでは一体、原子の中は、どうなっているのでしょうか。
中学校の授業で、「原子の中には原子核があり、その原子核は中性子などでできていて…」と習いますね。ただ、そこは人間には見えない領域の話。なかなかイメージすることがむずかしいのではないでしょうか。(そこから化学嫌いになってしまう人も…?)
そこで、そうしたことを学校で習う前の子どもたちに、まずは小さな世界を想像してもらい、親しみを感じてもらえる絵本ができないかと考え、本書の制作をスタートしました。複雑なミクロの世界の話を、この本ではなるべく簡潔にわかりやすく表現するようつとめています。この本を通して、「量子力学」とよばれる、とってもむずかしいけれど、とっても奥の深い学びのフィールドがあることを知っていただけたら嬉しいなと思います。
じつは、小さな粒の正体を考えることは、宇宙の正体を解明することにもつながっています。なぜなら、宇宙も小さな粒からできているからです。宇宙好きにもおすすめしたい一冊です!
作者情報
藤本順平(ふじもと じゅんぺい)
1959年、名古屋生まれ。大学院で加速器を使って研究する高エネルギー物理学の研究を始めた。高エネルギー加速器研究機構(KEK)の前身の高エネルギー物理学研究所で行われた電子・陽電子衝突型加速器トリスタンを使ったトパーズ実験グループに所属。トリスタン実験の終了後は、標準理論や超対称性理論に基づいて素粒子反応の確率を精密に計算する「GRACE」コンピュータプログラムの開発に従事した。
倉本今日子(くらもと きょうこ)
1959年、新潟県生まれ。デザイン事務所勤務ののち銅版画を始める。鎌倉の海と江ノ電の線路横にある自宅兼アトリエ「水平線」で、「銅版画絵本マザー・グース」「海の銅版画」などのシリーズを制作し、毎年個展を開催。2017年、鎌倉市にて「水平線ギャラリー」を始める。絵本の仕事に、『ブラックホールって なんだろう?』(たくさんのふしぎ傑作集)『ヤドカリだんちの なみでんしゃ』(こどものとも)、『えのでん タンコロ』(偕成社)などがある。
書誌情報
読んであげるなら | :小学三年生から |
自分で読むなら | :― |
定価 | :810円(税込) |
ページ数 | :40ページ |
サイズ | :25×19cm |
初版年月日 | :2025年02月01日 |
通巻 | :たくさんのふしぎ 479号 |