作者
ししどめめ 文 きくちちき 絵
内容紹介
「もう いいかーい」森のなかから声が聞こえてきます。小さな木の芽たちが、はやく芽を出したくてうずうずしているのです。あるあたたかな日、ひとつの木の芽が待ちきれずに芽を出しました。でも、翌日は雪。若葉に雪が降り積もり、困った木の芽は小鳥に助けを求めます。冬から春へと遷り変る季節の美しさ、そして青々とした森の生命力が感じられる作品です。

担当編集者 より
冬は植物や動物が息をひそめ、しんとしずかな季節です。それは同時に、ふたたび命が芽吹くのを待っている季節でもあります。お話のなかで、いまかいまかと芽を出そうとする木の芽の姿は、日に日に成長する子どもたちのようですね。春が来て、森に芽吹いた木の芽たちの表情は、本当にうれしそうです。 作者のししどめめさんは、天気のよい日にはよく山を歩き、木や鳥のそばで過ごしているそうです。もうすこし冬は続きますから、みなさんのご自宅のまわりでも、庭や公園の木の枝先に、木の芽が見つかるかもしれません。小さな自然を観察しながら、一緒に春を待つのも楽しそうですね。絵本を読み終えたら、ぜひあたたかく着込んで、身のまわりの自然を探しに出かけてみてください。
作者情報
ししどめめ
1952年、東京都生まれ。神奈川県で育つ。絵を描くことが好きで、高校時代から油絵を描き始める。広告代理店勤務を経て、カルチャースクール等で絵本制作を学ぶ。本作が初めての絵本出版となる。バードウォッチングと、気ままな山歩き、俳句作りなどを楽しむ。
きくちちき
北海道生まれ。2013年ブラチスラバ世界絵本原画展にて『しろねこくろねこ』(Gakken)で金のりんご賞を受賞。2019年には『もみじのてがみ』(小峰書店)により同展金牌を、2020年には『しろとくろ』により産経児童出版文化賞フジテレビ賞を受賞。絵本に『やまをとぶ』(岩波書店)『いち にの さん』(えほんやるすばんばんするかいしゃ)『いろいろかえる』『ちょうちょ ちょうちょ』(偕成社)『ともだちのいろ』『さくらのふね』(小峰書店)『とらのこ とらこ』(小学館)『でんしゃ くるかな?』『もじもじこぶくん』(福音館書店)『おひさま わらった』(フレーベル館)『パパさんぽ』(文溪堂)『ゆき』(ほるぷ出版)『ゆきのゆきちゃん』(ミシマ社)『くびが にゅーとのびました』(理論社)など多数。神奈川県在住。
書誌情報
| 読んであげるなら | :4才から |
| 自分で読むなら | :― |
| 定価 | :460円(税込) |
| ページ数 | :28ページ |
| サイズ | :26×19cm |
| 初版年月日 | :2026年02月01日 |
| 通巻 | :こどものとも年中向き 479号 |