作者


安野光雅 作・絵

内容紹介


誰もが知っている空想の世界の住人たちを題材にした“なぞなぞ”の絵本です。

登場するのはシンデレラや桃太郎、七福神に火星人など。

そんな、見たことはなくても知っているひとたちを、安野光雅さんが自在な筆さばきで絵にしました。

なぞなぞで遊びながら、安野さんによる空想の美術館をめぐってみましょう。

担当編集者 より


1968年、はじめての絵本『ふしぎなえ』を発表された安野光雅さん。

およそ50年を経て、「こどものとも」最後の作品となる『なぞなぞ』を届けてくださいました。

ご逝去が報じられたのは、本作刊行の半月前のことでした。心よりご冥福をお祈りいたします。

安野さんはかつて『ABCの本』(福音館書店)を制作中、Devil(悪魔)を描いてみたところ、監修役のアメリカ人の方から「悪魔はそうではない、もっと角がこうで、しっぽがこうで……」と助言されたそうです。

その「まるで見てきたかのように」説明する様が可笑しく、また、Devilに限らず多くの人が空想上のイメージを共有していることをおもしろく思ったのだとか。

この本には、そんな「実際に見ていない人にも、空想の中でイメージを共有されているもの」たちが、安野さん流に描かれています。

いわば安野さんによる空想の美術館です。

「これはだれ?」「これは知ってる?」と眺めていくうちに、イメージの世界の住人たちは、心の中の親しい友人になっていることでしょう。

巻末の解説ページもあわせてお楽しみください。

作者情報


安野光雅(あんのみつまさ)


1926年、島根県津和野町生まれ。美術にとどまらず、文学、数学など、創作の分野は多岐にわたる。国際アンデルセン賞、菊池寛賞、文化功労者など、受賞・受章多数。絵本に『ふしぎなえ』『さかさま』『ふしぎなさーかす』『もりのえほん』『あいうえおみせ』『しりとり』『ABCの本』『あいうえおの本』『天動説の絵本』「旅の絵本」シリーズ(以上、福音館書店)『繪本 平家物語』(講談社)「美しい数学」シリーズ(童話屋)など。著書に『かんがえる子ども』(福音館書店)『絵のある人生』(岩波書店)『若き芸術家たちへ―願いは「ふつう」』(佐藤忠良との共著、中央公論新社)など。故郷津和野に安野光雅美術館がある。東京都在住。

書誌情報


読んであげるなら:5・6才から
自分で読むなら:―
定価:440円(税込)
ページ数:32ページ
サイズ:26×19cm
初版年月日:2021年03月01日
通巻:こどものとも780号