作者


岩城範枝 文/小西英子

内容紹介


奈良で884年間、一度も途切れることなく続いている「春日若宮おんまつり」。

真夜中12時に始まり、その日は市内の小学校もお休みとなって、町の大人も子どもも参加する大きなお祭りです。

次の真夜中12時に神さまが帰るまでの特別な一日を、絵本で再現しました。

平安からの各時代の装束を細部まで描きこんだ、美しい絵をお楽しみください。

担当編集者 より


この本の取材では、驚くことばかりがありました。

真夜中の12時、大ぜいの神主さんに囲まれた若宮さま(神さま)の行列についていくと、真っ暗で寒いなか、参道の両側に、奈良の町の人たちが大人から子どもまで、びっしりと並んで行列を見守っています。

どうして? 

昼のお祭りの取材中では、大通りの柵に鹿がひっかかっているのを目撃しました。その救出を待って車が渋滞となっていますが、だれも文句をいいません。

いいの? 

夜のかがり火に照らされた舞楽では、東南アジアテイストの演目が延々と続いています。

奈良って昔から国際都市だったんだ! 

奈良から都が移されて、1200年以上がたちました。

それでもきっと、ことに精神的な意味では、今も奈良は日本の中心であり続けているのです。

作者情報


岩城範枝(いわきのりえ)


1945年、東京生まれ。早稲田大学教育学部国語国文科卒業。コピーライター、放送作家として長くテレビ業界で働いた後、「母の友」などで童話を発表。絵本に『鬼の首ひき』(絵、井上洋介) 『木の実のけんか』(絵、片山健)『すみ鬼にげた』(絵、松村公嗣)こどものとも『おにの神さん』(絵、三瀬夏之助 「こどものとも」2019年11月号 )以上、福音館書店刊。好きなもの、歌舞伎、能樂、志ん朝の落語、花火。

小西英子(こにしえいこ)


1958年、京都市生まれ。京都市立芸術大学卒後、同大学院(日本画)修了。絵本に『みやこのいちにち』『パパゲーノとパパゲーナ』『まるくておいしいよ』『サンドイッチ サンドイッチ』『のりまき』『めん たべよう!』 (以上、福音館書店)ほか多数。さし絵に『小公子』『小公女』(岩波書店)など。大阪市在住。

書誌情報


読んであげるなら:―
自分で読むなら:小学中学年から
定価:770円(税込)
ページ数:40ページ
サイズ:25×20cm
初版年月日:2020年12月01日
通巻:たくさんのふしぎ 429号