作者


野田映美 文・絵

内容紹介


子どものみなさん、よく聞いてください。

あなたが学校にいる間、「会社で働く」とはどういうことなのかを丁寧に教えてもらえる機会はほぼないでしょう。

しかしあなたが働こうとする時、あなたはすでに「社会のしくみ」や「会社」などについて、当然知っているものとして扱われます。

でもこの本を読んでおけば、その時にオロオロしないですむかもしれません。

担当編集者 より


「会社」と聞いて、どんな場所を思い浮かべるでしょう。

都市部にある、大きなビルを想像しますか。

そこではスーツを着た人たちが、整然としたオフィスでパソコンに向かっているのでしょうか。

「会社」と一口に言っても、その事業は様々です。何をしてお金を得ているのか、どんな職場か、どんな格好で、どんなふうに働いているのかも違います。

しかし、その実際の様子を子どもが目にする機会は多くありません。

現在、子ども向けの「職業紹介」の本は「動物に関わる仕事をしたいなら」「警察官になるには」など、憧れや志向がすでにあると想定して作られている本がほとんどです。

しかし、全員が確固とした夢を抱いて大人になるとは限りません。

多くの子どもたちは「働く」ということが見えないまま学校教育を終え、就職活動をして初めて「会社」や「業種・業界」を知るのではないでしょうか。

そして大多数の人が、「会社員」という働き方を選択します。

しかしその業種の多さや会社員という働き方の特性を漠然とでも知っていれば、選択の幅はもっと広がるかもしれませんし、どんなことをしたいかを考える時間も増えるかもしれません。

それには、大人が極力色づけをすることなく、現在の「会社」をそのまま伝えることが肝要だと考えました。

この社会には様々な「会社」があり、また自営業や公務員という働き方もあります。

どれがいい、悪いではなく、そうした多様性によってこの社会が成り立っているということを、イラストと易しい文章で伝える本です。

作者情報


野田映美(のだあきみ)


1982年生まれ。イラストレーター。多摩美術大学卒業。共著に『ネコと読む『方丈記』に学ぶ“人生を受けとめる力”』(高寺あずま 文、文響社)。たくさんのふしぎ付録「ふしぎ新聞」にて「おいしい住宅」を連載中。

書誌情報


読んであげるなら:―
自分で読むなら:小学中学年から
定価:770円(税込)
ページ数:40ページ
サイズ:25×20cm
初版年月日:2021年02月01日
通巻:たくさんのふしぎ 431号