作者


菅瞭三 原案/かんかおる

内容紹介


日曜日。

朝早く起きた「僕」は、お父さんと一緒に釣りに出かけます。

外はまだ真っ暗。空気はひんやり。ふたりは車に乗って港へ向かいます。

釣り場の堤防に着いたら、早速しかけの準備。

さて、今日はどんな魚が釣れるかな。

釣りの楽しさに加え、日が昇るにつれて刻々とその表情を変えていく、美しい朝の海辺の風景も見所。

読んだ後、海に出かけてみたくなる絵本です。

担当編集者 より


編集担当はこの作品を編集するにあたって、釣りをするようになりました。

まだ真っ暗な海には、月の光や対岸の街の灯りがぼおっと映っていて、耳に聞こえてくるのは釣り人の竿を振る音だけ。

魚の反応を探して竿先に集中していると、まるで自分が大きくて広い海の一部になったかのような、不思議な充実感に包まれます。

そして、海辺の朝焼けは、何度見ても息を飲むほどに美しいものです。

もっとも釣り人にとっては、日の出の時間は魚が一番釣れやすいチャンスタイムでもあるので、もたもたしてなどいられないのですが……。

この作品は、絵本作家の菅瞭三さんが遺したラフをもとに、娘である日本画家のかんかおるさんが描いたものです。

子どものころ、よくお父さんと釣りに行ったというかおるさん。

子ども時代の記憶を辿りながらこの本を制作していった過程は、まるでお父さんとの時を超えた共同作業のようだったとか。

釣具屋さんには子ども向けの釣りセットが売っていますし、アジやイワシなど、子どもも釣ることのできる魚が、日本の海にはいっぱいいます。

この絵本を読んで、朝の海に釣りに出かけてみてもらえたら嬉しいです。

作者情報


菅瞭三(かんりょうぞう)


1940~2009。大分県佐伯市生まれ。日本大学芸術学部卒業後、広告代理店に勤務し、自然を題材にした作品を描いた。絵本に『いるかのうみ』『うみじじい』(「こどものとも」1999年8月号)『めんたまいけの さかなつり』(「こどものとも」2007年7月号、以上、福音館書店)がある。

かんかおる


1976年、大分県生まれ。日本画家。京都造形芸術大学芸術学部美術科日本画コース卒業。「第5回公募新生展」新生賞、松陰芸術賞、康耀堂美術館賞、琳派400年記念新鋭選抜展優秀賞など受賞多数。現在、京都と福岡を拠点に制作活動中。

書誌情報


読んであげるなら:5・6才から
自分で読むなら:―
定価:440円(税込)
ページ数:32ページ
サイズ:19×26cm
初版年月日:2021年05月01日
通巻:こどものとも770号