作者
長倉洋海 写真・文
内容紹介
「自分は世界で一番幸せ」……シベリアにトナカイと移動しながら生活をする遊牧民「ネネツ」の人たちがくらしています。
ひとつの家族で飼うトナカイは1200頭にもなります。
トナカイの肉を食べ、トナカイの皮で着るものやテントを作り、トナカイを売ってお金も稼ぐ、ネネツの家族をおいかけた写真絵本です。
担当編集者 より
シベリアに住む遊牧民「ネネツ」の人たちの生活は、すべてがトナカイに支えられています。
トナカイを放牧しながら、ツンドラを移動してくらしています。
トナカイの肉を食べ、トナカイの皮で作ったテントに住み、着る物はトナカイの脚の腱をよった糸でトナカイ皮を縫って作ります。
ネネツはずっとこの伝統的な放牧生活を続けてきました。
そこには作物の育たないシベリアの大地を生き抜く智恵がつまっています。
しかし、ネネツの人たちはかたくなに伝統を守っているだけではありません。
トナカイを売ったお金で子どものおもちゃや生活に必要なものを買います。
インターネットや携帯電話、スノーモービルは生活に欠かせません。
子どもたちは寄宿舎でロシア式の教育を受けるようにもなっています。
伝統を守りながら、文明とまざり合って、ネネツのくらしはできあがっているのです。
写真家の長倉洋海さんの写真には、ネネツのくらしのありのままが撮されています。
そこからは、ただの記録写真を超えて、「生きる幸せとは何か?」という、遠く離れた土地でくらすネネツと私たち日本人に共通するものが浮かび上がってきます。
作者情報
長倉洋海(ながくらひろみ)
1952年、北海道釧路市生まれ。写真家。京都での大学生時代は探検部に所属し、手製筏による日本海漂流やアフガン遊牧民接触などの探検行をする。1980年から世界の紛争地を精力的に取材する。子どもにむけた本では、『きみが微笑む時』『ヘスースとフランシスコ エルサルバドル内戦を生き抜いて』(ともに福音館書店)、『いのる』『はたらく』『まなぶ』『つながる』『さがす』(以上、アリス館)、『ザビット一家、家を建てる』(偕成社)などがある。
書誌情報
読んであげるなら | :― |
自分で読むなら | :小学中学年から |
定価 | :770円(税込) |
ページ数 | :40ページ |
サイズ | :25×20cm |
初版年月日 | :2020年11月01日 |
通巻 | :たくさんのふしぎ 428号 |