作者


ねぎしたかこ 文/にしかわおさむ

内容紹介


りんちゃんは、子ども用の赤い自転車です。

自転車屋さんの店先で、自分に乗るだれかが来るのを待っています。

お店には次々にお客さんが訪れますが、やって来る子どもは、りんちゃんに乗るには小さすぎたり大きすぎたり。

でもある日、りんちゃんにぴったりの女の子が現れて……。

子どもが初めて自転車を手に入れる、特別な出会いを描いた物語です。

編集担当者 より


作者のねぎしたかこさんから、ある親子の話を伺いました。

お母さんが子どもを自転車に乗せて出かけようとしたときのこと。

まだ幼いお子さんが

「自分の自転車で行く」

というので「大丈夫かな」と思いながら出発すると、一生懸命にちゃんと付いてきて、我が子の成長を感じたのだそうです。

と、そこまでは何気ない日常の一コマですが、

「でもね、その子も頑張ったけど、自転車だって頑張ったんですよ」

と続けたねぎしさんの一言が印象に残りました。

自分専用の自転車を手に入れるのは、子どもにとって嬉しく誇らしいもの。

そんな特別な出会いを、自転車の側から描いたのがこのお話です。

自分に乗ってくれる「誰か」を待ち望むりんちゃんに、にしかわおさむさんが自然な擬人化で命を吹き込みました。

この本を読むお子さんたちも、自分の自転車とさらに仲良くなれますように。

作者情報


ねぎしたかこ


長年、図書館での児童サービスの仕事に携わる。1994年、竹中淑子氏と子どもの本研究所を設立。著作に『はじめての古事記』(共著、徳間書店)『こねこのレイコは一年生』(のら書店)『ちいさいトラック』(「こどものとも年少版」2013年5月号)『こたろうのさかなつり』(「同」2016年3月号)がある。

にしかわおさむ


1940年、福岡県生まれ。『おばけとこどものおうさま』(PHP研究所)でボローニャ国際児童図書展エルバ賞、『ツトムとネコのひのようじん』(小峰書店)で第29回ひろすけ童話賞を受賞。絵本に「10ぴきのおばけ」シリーズ(ひかりのくに)など、童話の挿絵に『ハナさんのおきゃくさま』(福音館書店)などがある。

書誌情報


読んであげるなら:4才から
自分で読むなら:―
定価:440円(税込)
ページ数:32ページ
サイズ:26×19cm
初版年月日:2021年03月01日
通巻:こどものとも年中向き420号