作者
タイガー立石 作・絵
内容紹介
緑色のとらが、夢の中を歩いています。
歩くうちにスイカのような姿に変わったり、広大な迷路をさまよったり。
池の水面に映ったとらの姿も、よく見るとなんだか変。
まるでだまし絵の中に迷い込んだかのような、不思議な世界が続きます。
現代美術やマンガなど、多分野で独自の表現を残したタイガー立石さんによる絵本デビュー作。
担当編集者 より
現代美術家、漫画家、イラストレーター、絵本作家……。一つの肩書きにはとうてい収まらない、多彩な表現を残したタイガー立石さん。
1970年代にはイタリアを拠点として、ニューヨークやパリで個展を開くなど、国際的な活躍を見せました。
帰国後、1984年に発表された初めての絵本が、この『とらのゆめ』です。
シュルレアリスムの絵画のような不思議な光景が描かれますが、難解なところは少しもなく、とらの奇妙な散歩をいつまでも眺めていたい気持ちにさせられます。
ちなみに緑の虎は、タイガー立石さんがこの作品以前から描き続けてきたモチーフで、ご本人の言葉によれば「動物と植物をかねあわせたイメージ」なのだそうです。種の境界さえも溶解した、美しく幻想的な世界をどうぞお楽しみください。
タイガー立石展(うらわ美術館)のyoutubeチャンネルにて、
関口展さん(『とらのゆめ』1984年刊行時の編集者)のインタビュー動画が公開されています。
作者情報
タイガー立石(たいがーたていし)
1941~1998。福岡県田川市に生まれる。63年、第15回「読売アンデパンダン」展に大レリーフ作品「共同社会」を発表し注目を集める。69年にイタリアへ渡り、デザインの仕事に携わりながらヨーロッパ各地で個展を開催。82年に帰国後、漫画や絵本から立体作品まで多彩な活動を展開。絵本に『ままです すきです すてきです』(福音館書店)などがある。※『とらのゆめ』の原画を含む大規模な展覧会が、うらわ美術館および埼玉県立近代美術館で開催されます(2021.11.16~2022.1.16)。詳細は各美術館のホームページをご覧ください。
書誌情報
読んであげるなら | :4才から |
自分で読むなら | :― |
定価 | :440円(税込) |
ページ数 | :28ページ |
サイズ | :26×19cm |
初版年月日 | :2021年12月01日 |
通巻 | :こどものとも年中向き 429号 |