作者


くら ささら 文/たかはしゆうじ

内容紹介


男の子がジュースを買おうと、100円玉を自動販売機に入れようとしたその瞬間……。

100円玉がおっこちた! 

100円玉は、ころころころころ、坂を転がって、トラックに運ばれたり、空を飛んだり、海に落ちたり。しまいには南極にたどり着いたり……! いったいどこまで行ってしまうのでしょうか? 

小さな100円玉の壮大な冒険を描いた絵本です。

担当編集者 より


 このお話は、いわば100円玉の冒険物語です。転がった100円玉は、いろいろな場所を巡りながら、カラスやウミガメ、クジラにペンギンと、さまざまな生き物と関わりつつ、再び市場経済に戻っていきます。同じ金属の丸い塊が、カラスにとっては宝物のコレクションになり、ペンギンにとっては未知の飛来物になり、人間にとっては、物を買うための価値あるものになる。そう考えると、お金って不思議ですね。


 現実の100円玉も、市場経済のなかをぐるぐると、いろんな人の元を巡りながら、果てのない冒険を続けています。おうちにある100円玉も、もしかしたら遠い海の向こうからやってきたのかも? なんて空想を広げながら、このお話の世界を楽しんでいただけたら嬉しいです。

作者情報


くら ささら


1968年、神奈川県生まれ。青山学院大学文学部英米文学科卒業。2018年『神様の住所』(朝日出版社)にてBunkamuraドゥマゴ文学賞受賞。他の著書に『きえもの』(新潮社)、『ゆめのほとり鳥』(書肆侃侃房)。絵本に『ひみつのえんそく きんいろのさばく』(「こどものとも」2022年8月号/福音館書店)。最近好きな言葉は「夢しか実現しない」。最近好きな歌は「ピンク・タイフーン」。

たかはしゆうじ


1993年、愛知県生まれ。東京藝術大学大学院デザイン専攻修了。第16回ピンポイント絵本コンペ優秀賞、ボローニャ国際絵本原画展入選など受賞多数。絵本に『山びこくん』(文芸社)『ぼくはくるま、みんなもくるま』(あかね書房)『もういちわ とんでいく』(ホテルの本棚)『ずぼっ じー』(講談社)などがある。

書誌情報


読んであげるなら:4才から
自分で読むなら:―
定価:440円(税込)
ページ数:28ページ
サイズ:26×19cm
初版年月日:2023年02月01日
通巻:こどものとも年中向き 443号